注目企業インタビュー
地域の医療連携・病院経営を効率化し
安心して在宅医療が受けられる社会へ
医療DXで地域医療連携を推進
鶴久 小畑社長が手がける医療DX事業について、ぜひ詳しくお聞かせください。
小畑 高齢化が進む日本社会では今後、治療までは必要はないものの、心臓の機能は低下していく慢性心不全の患者数がさらに増えていくと予想されています。そうした状況の中でも入院することなく自宅で安心して医療が受けられるような地域を中心とした体制を確立する必要があるのですが、ほとんど進んでいないのが現状です。そこで当社は、(株)エスパイオン・メディカルテクノロジーというシステム開発会社さんと提携して地域医療連携の仕組みが組み込まれている電子カルテ「HAMIS(ハミス)」の販売を始めました。
鶴久 「HAMIS」が、地域の医療・介護現場の連携をサポートするわけですね。
小畑 はい。「HAMIS」を導入すれば、高度な治療を担う大病院、回復期を担う病院、長期療養を必要とする患者を診る慢性期病院、地域のクリニック、在宅医療、介護施設等、各機関がシームレスに情報等を連携できます。
鶴久 それは患者さん、医療従事者や介護士の方々、皆さんにとってありがたいことですよね。
小畑 地域連携だけではありません。「HAMIS」は診療・看護・検査・医事会計・一般業務・経営支援等、病院の経営にまつわる要素を総合的に支援できるサービスです。データをリアルタイムで一元的に管理することができるため、院内の業務連携がスムーズに行えるようになります。他社のシステムは、新たな機能を追加するたびに別途ソフトを入れなければならない仕様になっているのですが、「HAMIS」はすべてをワンストップで支援できるんです。それが大きな強みですね。
鶴久 それは画期的なシステムですね!効率化向上に大きく貢献する「HAMIS」は、医療人材の確保が難しい地方医療に特に大きな影響を与えそうです。
小畑 おっしゃる通りです。「HAMIS」を通じて、最終的には在宅医療においても入院している時と変わらない医療サービスを受けられる社会にすることが当社の目標です。医療機器の卸事業では、多くの医療機関と直接お取り引きさせていただいています。このネットワークを生かして、「HAMIS」の普及に尽力したいと考えているんです。
業界への奉仕として全力を注ぐ
鶴久 社会貢献度の高い事業なだけに、モチベーションも高まりますよね。
小畑 そうですね。私が代表取締役に就任した当時、社員の平均年齢は47歳ほどでしたが、新規採用で組織の若返りを図った結果、平均年齢が30代半ばになりました。私は現在61歳なので、経営者でいるのはあと10年程度だと考えています。若い世代の力を借りながら、業界への最後の奉仕として全力で突き進むつもりです。
鶴久 小畑社長が医療の現場を改革してくださるのを私も楽しみにしています。
小畑 ありがとうございます。日本は世界で最も高齢化が進んでいる国の1つです。「HAMIS」が国内で普及し、事業が確立されれば、これから高齢化が進む海外への輸出も視野に入ってきます。医療の現場を変える当社の挑戦に、ぜひ、ご期待ください。

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GUEST COMMENT
鶴久 政治
社会の高齢化が進む中、在宅医療の体制を整えることは急務です。地域の医療連携が確立され、医療の現場が効率化されれば、患者さんやその家族、医療従事者、介護士、すべての方にメリットがあるはず。小畑社長の挑戦は、日本の医療を新たなステージへ押し上げる力強い一歩だと感じました。そのビジョンの実現を心から応援しています!