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注目企業インタビュー

留学生用システムとの一体利用を支援し<br />
日本語教育の標準的な成績評価の確立を<br />

IT

留学生用システムとの一体利用を支援し
日本語教育の標準的な成績評価の確立を

EduTechJapan 株式会社
代表取締役 井上 智之

PROFILE

大学では心理学を学ぶ。卒業後は製造業や飲食業などさまざまな職種を経験し、32歳の時に日本語教育業界に転身。2018年から都内の企業で日本語学校や専門学校、大学向けの学生管理システムの販売に携わり、2024年8月にEduTechJapan(株)を設立した。

COMPANY DATA

EduTechJapan 株式会社

住所
〒226-0027
神奈川県横浜市緑区長津田2-33-1
URL
https://edutechjapan.com/


 

 EduTechJapan(株)さんは海外からの留学生が学ぶ日本語教育機関向けに、多様なサービスを提供しているとうかがいました。具体的にはどのようなサービスなのか、井上社長が起業されるに至った経緯と併せて教えてください。

井上 私は以前から勤務している会社で、日本語学校の在籍管理などに用いる留学生向けの学生管理システムWSDBの販売に携わっています。それは学校での在籍や、学習の管理、在留資格の管理を行い、各種書類・証明書を発行したり、スマホで学習状況を確認できたりするもので、近年は大学・専門学校でも同様のシステムが普及しているんです。WSDBはすでに、日本語学校に通う留学生の約半分のシェアを占めるまでに成長しました。私が当社の設立に踏み切ったのは、WSDBだけでなく、他のどのような学校用システムにも適用できる成績評価のシステム実装理論を、日本語教育の業界に広めていくためなんです。

 なるほど。成績評価というのは「あなたはこれだけ日本語ができるようになりましたね」といったような感じで認めてあげることですよね?

井上 ええ。これまでの日本語教育が受験や語学検定の対策に偏り、いざ日本で就学や、仕事に就いても十分に会話できない人が多かったことへの反省から、最近、文部科学省が新しい教育の仕組みを打ち出しました。それは教育機関で会話中心の日本語をもっと深く学んでもらおうという趣旨なのですが、肝心の評価方法が各学校でばらばらなので、進学先や外国人を採用したい企業からすると、どれを信用したらよいかわからないわけです。そこで、私は当社において、文部科学省認定の日本語教育機関に求められる成績評価を学生用システムにどのように組み込んだらよいかの理論を公表しています。私が別会社で関わっているシステムだけでなく、他のどんなシステムでお使いいただいても構いません。

 自分たちの製品だけに用いて、囲い込みの材料にしようとは思わなかったのですね。素晴らしいお取り組みです。

井上 ありがとうございます。シェアをさらに広げようとするよりも各学校で評価実装方法が異なる状態を改善することのほうが、日本語を学びたい留学生のため、ひいては日本と海外の交流を促すためにもよいと考えました。現在は進学先や企業の信用に足る成績評価につながるよう、その土台づくりをしています。

 今後の展望については?

井上 私には2つの目標があります。1つは、いまご紹介した留学生向け日本語教育の評価実装方法をさらに広めていくことです。もう1つは、日本人学生の管理を中心とした、大学や専門学校へのITサポート事業を軌道に乗せることですね。外国人と日本人、どちらに向けてもさらに事業を展開していきたいと考えています。ぜひ、ご期待ください。

 

GUEST COMMENT

嶋 大輔

学生管理システムや成績評価の理論など、難しい話になりそうで不安でしたが、井上社長の説明がわかりやすく、確かにこれは今後の日本に必要なサービスだと納得できました。このサービスを通して、日本語を学びに来た外国人の方たちがそれぞれの目標に向けて正当に評価されるようになってほしいですね!