注目企業インタビュー

スペシャリスト
鉄道を軸に海外インフラ事業をサポート
営農型太陽光発電のアジア展開にも意欲
株式会社Shu Electricity and Railway Consultant
代表取締役 小倉 秀文
PROFILE
大学院卒業後、大手鉄道会社に22年勤務。海外の鉄道事業や電気事業へのコンサルティングに注力するため独立し、2019年に(株)Shu Electricity and Railway Consultantを設立。フィリピン、スリランカの鉄道網整備のプロジェクトに携わるなど多数の実績を持つ。
COMPANY DATA
株式会社Shu Electricity and Railway Consultant
- 住所
- 〒270-0002
千葉県松戸市平賀135-92 - URL
- http://shu-eandr-consul.co.jp/
矢部 (株)Shu Electricity and Railway Consultantさんは、海外のインフラ事業の中でも、特に鉄道案件をメインに、コンサルタントとして携わっていらっしゃるそうですね。まずは、小倉社長が今のお仕事を手がけられるようになった経緯から教えてください。
小倉 私は大手鉄道会社に20年以上勤務し、研究開発やメンテナンス、設計などの部門で働いていました。その間、JICA(国際協力機構)が行った海外の鉄道事業へのコンサルティングを経験し、そうしたプロジェクトの管理的な役割が自分に向いていると思い、2019年に48歳で独立しました。その後はJICAやアジア開発銀行の支援する案件について、メインのコンサルタント会社から専門分野での協力依頼を受け、5件ほどのプロジェクトに関わっています。
矢部 会社員時代からコンサルティングをされていたということですが、あえて独立の道を選んだ理由が気になります。
小倉 大学で電気工学を専攻していたので、鉄道以外の、例えばエネルギー関連の事業でも海外で仕事をしたいと思ったんです。そうすると、鉄道会社の枠内ではできないこともありますから、自分で会社を立ち上げる決心をしました。
矢部 新しい事業の展開も見据えて、一歩踏み出されたのですね。お仕事をされるうえで、小倉社長の強みはどんなところで発揮されるとお考えですか?
小倉 鉄道に関して言えば、会社員時代にかなり幅広い経験を積んだことと海外案件での経験によって、採算性の計算から施工段階での技術支援まで、どの分野についても一通りの話ができるところは自分の強みだと思います。かつて会社の上司から「仕事は選ぶな」「メッセンジャーボーイになるな」と言われたことが強く頭に残っていて、好き・嫌いに関係なく与えられた仕事と真摯に向き合い、自ら考えること、その中で得られるものを大切にするとともに、上司からの指示を伝達するだけでなく、自分はどう動くべきなのかを常に考えて行動しているうちに、いつの間にかゼネラリストになれたように思います。
矢部 今、小倉社長から見て、海外の鉄道事業の動きはいかがですか?
小倉 タイのバンコクやインドネシアのジャカルタなども、経済発展に伴ってタイム・イズ・マネーの考えがだんだん根付いてきました。交通渋滞が常態化している車より、定時に動いてくれる鉄道への評価が高まってきていると感じるので、まだまだ自分たちが関与できるプロジェクトがありそうです。
矢部 楽しみですね。最後に、今後の新しい計画などをお聞かせください。
小倉 農場に設置したソーラーパネルから電力をシェアするアグリボルタイック(Agri-Voltaic)、国内ではソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)と呼ばれる事業をアジアの国々で展開するプロジェクトが進行中です。エンジニアとして腕が鳴る案件なので、ぜひ成功させたいですね。

GUEST COMMENT
矢部 美穂
「メイドインジャパンの品質を保つために、日本の技術職の後継者不足問題にもコミットしたい」と語ってくださった小倉社長。海外での事業を軸に置きながらも、日本の未来についても考えてくださっていて、本当に頼もしい存在だと思いました。今後も大きなプロジェクトを成功へ導かれることを期待しています!