注目企業インタビュー

サービス
土づくりからこだわり密度の高い甘みを
50年超のベテランがつくる薮塚スイカ
永田農園
代表 永田 芳夫
PROFILE
群馬県太田市の藪塚地区で100年以上の歴史を持つ藪塚スイカの生産元の1つ、「永田農園」の3代目。高校卒業後に父親とスイカづくりを始め、50年以上にわたり試行錯誤を重ねる。独自の技術で肥料づくりにこだわり抜き、甘みのつまった小玉スイカを全国へ届けている。
COMPANY DATA
永田農園
- 住所
- 〒 379-2306
群馬県太田市大久保町310 - URL
- https://www.nagata-nouen.com/
矢部 ここ群馬県太田市の名産である薮塚スイカを生産されている「永田農園」さん。永田芳夫代表はその3代目だそうですね。

▲ 「永田農園」で生産された名物の薮塚スイカ。熟練のノウハウのもとつくられた土によって大切に育てられ、皮の近くまで豊かな甘みがつまっている。シーズンは3月中旬から7月中旬にかけてとのこと
永田 ええ、私の祖父が蚕糸やサツマイモをつくっていて、父の代からスイカづくりを始めました。私も高校を出てすぐに父とスイカをつくるようになり、50年ほど試行錯誤を続けてきたんです。薮塚には、昔は200軒ほどのスイカ農家がありましたが、現在は40軒ほどに減少してしまいました。しかし、薮塚スイカは現在も大変人気がある名産品ですから、これからも楽しみにしていてくださるお客様のために日々汗を流し続けていこうと思います。
矢部 ぜひスイカをつくる際のこだわりについて教えてください。
永田 独自の肥料づくりを行っている点が当園の特長です。家畜動物の糞尿を始め、魚粉や骨粉、発酵させた米ぬかなどさまざまな要素を加えることで、アミノ酸を豊富に含んだ甘みあるスイカに仕上げています。ここまで土づくりにこだわっているところは珍しいのではないでしょうか。だからこそ、当園のスイカは自信を持って「おいしい」と、お客様にお伝えすることができています。
矢部 「永田農園」さんでは収穫期には直売所の営業もされているそうですね。
永田 ええ。とにかくスイカの味を知っていただきたいという思いから、直売所ではいつでもお客様に試食していただけるよう、その場で実際に切ってご提供しています。おかげさまでリピーターの方も多く、試食をお出しした時に「もうこのスイカがおいしいのは知ってるよ」と断られてしまうこともあるんですよ(笑)。直売所のほかに近くの農協や道の駅にも出荷していますし、ご連絡があれば遠方にも直販しています。北は北海道から南は沖縄までご注文がありますね。
矢部 それだけたくさんのお客さんから信頼されているということですね。やりがいも大きいのではないでしょうか?
永田 スイカは何年やっても難しい根気のいる作物ですが、精魂こめてつくったものを食べていただき、お客様に「おいしかった」と言っていただけることは格別の喜びです。
矢部 農園の今後については、どのようにお考えですか?
永田 私もすでに70歳を迎えました。そのため、今はインドネシアから来た実習生に手伝ってもらっていますから、それを皮切りに、ぜひ多くの若い方に当園を知っていただき、歴史をつないでいってもらいですね。

GUEST COMMENT
矢部 美穂
永田代表のお話からは、土づくりなどに関する専門的な知識はもちろんのこと、作物への愛情や、お客さんの期待に応えたいという気持ちがあふれていました。ぜひ50年もの間紡いでこられた代表の技術と思いを、次世代の若い方に継承していってもらいたいですね。