注目企業インタビュー
元介護福祉士がリサイクル界のヒーローに
「捨てない」ポリシーで高齢者を守る!
使える不用品は福祉施設などに譲る
嶋 私も父が亡くなった時は業者さんに遺品整理を依頼しました。村井代表のような心と心でキャッチボールできる方にお願いするのが最も安心だと断言できますね。それでは、あらためて代表が掲げる理念をお聞かせください。
村井 皆さんの家にある持ち物は、一見、不用品に見えてもご本人にとっては大切な思い出の品かもしれません。ですから私は日用品から家財など、あらゆる物をご本人やご遺族に確認し、承諾をいただいたものだけ処分しています。また、「捨てていい」と言われた物も当社は可能な限り生かしているんです。まだまだ使えると判断した不用品は福祉施設、生活保護を受けている方、海外で困窮している方々などにお譲りしています。屋号の通り「捨てない」というポリシーを貫き、アップサイクルに取り組む。物を通じて人の思いをつないでいくことが私たちの役目です。
嶋 その方の思いをくんで一つひとつしっかり説明していただければ、依頼する側も心の整理がつきます。思い出のものを他の人につなげてもらえると嬉しいですよね。村井代表と同じ気持ちで頑張るお仲間のことも、ぜひ教えていただけますか。
村井 現在、当社は社員3名とアルバイト2名の体制で、全員が介護福祉士の資格を持っています。このように福祉とリサイクルをかけ合わせ、常識や固定観念にとらわれない攻めの姿勢で活動しているんです。例えば、古い着物をバッグにリメイクしてくれる県内の業者さんとも連携しています。嬉しいことに、こうした当社の取り組みは口コミで広がっているんです。1軒のお宅で作業していると、近隣の方が見学に来て私たちの仕事ぶりに感動し、「うちもお願いするよ」とおっしゃってくださることが何軒も続いています。
理想の介護施設をつくることが目標!
嶋 丁寧な仕事ぶりが皆さんに評価されている証拠ですね。村井代表は笑顔も素敵ですし、私も頼みたいぐらいです!お話しをうかがっていると、代表やスタッフさんが事業に心血を注いでいらっしゃることがよくわかります。
村井 ありがとうございます。私たちの仕事がお客様の支えになっていると実感した時はそれだけで楽しくなり、心の底から「ありがとうございます」と感動的な気持ちが湧きあがってきます。誰かのために働けることが嬉しくて仕方ないんです。そうして1件1件のご依頼に感謝しながら、自分たちの力を最大限に発揮して、当社に関わってくださるすべての方を幸せな笑顔に導きたい。「CLEAN HERO」という社名の通り、困っている方を1人残らず助けるリサイクル界のヒーローになることが私たちのビジョンです。
嶋 そのビジョンを達成するためにひたすら前進する村井代表。将来の具体的な抱負はいかがですか?
村井 私は「富山市SDGs推進コミュニケーター」としても活動しています。今後はさらに自治体と連携し、少しでも多くの方がSDGsに興味を持ち学ぶことができる場を設けたいですね。そして、福祉とリサイクル業を両立させている数少ない業者として事業を拡大し、当社ならではの介護施設を持ちたいと思っています。「私は本当にいい人生を送ることができた」と、胸を張っておっしゃっていただける理想の施設をつくることが私の最終的な目標です!
嶋 きれいごとではなく心の底から本音で話しながら、高い志を持つ村井代表とお目にかかって、私は「まだまだ日本人は捨てたものじゃない」と未来に希望を感じることができました。ぜひ、福祉業界とリサイクル業界を改革してください。私も応援しています!
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