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注目企業インタビュー

コンピューターでピーク時の電力を制御<br />
基本料金を50%も削減する装置を開発!

IT

コンピューターでピーク時の電力を制御
基本料金を50%も削減する装置を開発!

コムシーケンス 株式会社
代表取締役 小松 茂

PROFILE

高校卒業後、松下電器産業(株)(現パナソニック(株))に入社。技術者としてFA(ファクトリーオートメーション)やSDメモリーカードの開発に携わる。姉からの骨髄移植で白血病を克服して2002年に「コムシーケンス」を創業し、2022年に法人化。愛娘を含む8名のスタッフと共に、まだ世の中に存在しない製品を送り出すため奮闘している。

COMPANY DATA

コムシーケンス 株式会社

住所
〒994-0027
山形県天童市桜町9-30-1
URL
https://ee-breaker.ecnet.jp/coms/index.html

FA(ファクトリーオートメーション)の設計・開発などを手がける山形県天童市のコムシーケンス(株)。店舗・工場などの電気料金を削減するオリジナルのコンピューターシステムをつくり出した小松茂社長の仕事の流儀に、タレントの石黒彩さんが迫るインタビュー。


 

白血病から生還しFA設計・開発で起業

石黒 技術畑一筋に歩み、システム開発で起業された小松社長。まずはご経歴からお聞かせください。

小松 私は高校卒業後の1982年に松下電器産業(株)に入社しました。やがて大阪の本社でFA(ファクトリーオートメーション)、つまり工場の自動化システムを開発するようになったんです。さらには松下や(株)東芝などによるSDメモリーカード開発メンバーの一員として生産ラインの設計も担当し、そうした経験が当社の事業につながっています。ただ私は1992年に白血病を発症し、余命3ヶ月と診断されました。その時はさすがに心が折れましたね。

石黒 そうした絶望の淵からどのように生還されたのでしょうか?

小松 すぐに気を取り直した私は、残りの3ヶ月でやりたいことリストを作成したんです。普段と同じ生活を維持し、散歩をして花を愛でたりするなど五感を使って人生を楽しもうと決めました。そんな中で事態が急展開し、看護師だった姉の骨髄を移植すれば6%の確率で白血病が治るとわかったんです。私はこのわずかな可能性に懸け、成人男性として初めて山形県の病院で骨髄移植の手術を受けることになりました。その手術が成功し、主治医も驚くほど回復して現在まで元気に過ごせています。もちろん体の一部を提供してくれた姉には頭が上がりません。私は、絶対に親きょうだいとけんかをせず周囲の方に感謝しながら生きると決意しました。

石黒 その固い信念と生への情熱が、後の起業にもつながったようですね。

小松 ええ。早期退職に応募した私は2002年に松下を退社し、「コムシーケンス」の屋号で独立しました。妻も「思い通りに生きたほうがいい」と全力でバックアップしてくれたんです。そうして事業は順調に成長し、2022年に法人化を果たしました。現在はFAの設計・開発に加え、電気料金を節約する自社製品の開発・販売にも力を入れています。
 
 

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