注目企業インタビュー
建設
基礎から上げる工法で地盤沈下を修正!
丹精込めた工事で太く長く事業を続ける
株式会社 太心工業
代表 小源寺 一也
PROFILE
福岡県出身。大学まで野球を続けるが、ケガでプレーを断念。営業、自動車整備など複数の職業を経験する。25歳の時に出合った地盤補強・沈下修正工事の魅力に引き込まれ、福岡県の会社に就職。その後、千葉県の会社で修業し東日本大震災の復興にも尽力した。30歳で一人親方として独立。2016年の地震を機に熊本へ移り、2021年に(株)太心工業を創業した。
COMPANY DATA
株式会社 太心工業
- 住所
- 〒860-0826
熊本県熊本市南区平田1-14-19
草野ビル302 - URL
- https://www.taishinn.com/
災害が多発する日本に欠かせない、地盤補強・沈下修正工事。この分野で卓越した存在感を発揮しているのが、熊本市に拠点を置く(株)太心工業だ。技術力と体力のどちらも欠かせない仕事に打ち込む小源寺代表の心意気を、タレントの嶋大輔さんがうかがった。
地盤の液状化で傾いた建物を元に戻す
嶋 地盤補強工事と沈下修正工事を手がける(株)太心工業さん。この分野のプロとして活躍される小源寺代表のご経歴からお聞かせいただけますか?
小源寺 私は大学まで野球に打ち込んでいましたが、骨折でプレーを続けることを断念したんです。その後は、営業や自動車整備など複数の仕事を経験し、25歳でこの仕事に出合いました。やがて関東へ武者修行に行き、東日本大震災の復興現場にも入ったんです。私を誘ってくださった社長がお亡くなりになり、「後を継いでほしい」と会社を託されたのですが、「いずれは起業しよう」と考えていたことから30歳で一人親方になりました。2016年の地震を機に熊本へ移り、2021年に当社を創業した次第です。
嶋 このお仕事は特殊だと思います。工事の内容を詳しく教えてください。
小源寺 地震などさまざまな理由で地盤が液状化し、住宅や店舗・工場などが傾いてしまうことがあります。そうした建物を元に戻すことが私たちの役目です。以前は基礎の上にある土台を上げるケースが多かったのですが、この方法ではいずれまた下がってきてしまいます。そこで当社は、基礎から上げる工法を中心に施工するようにしました。これはまだ珍しい工事で、先日も地盤沈下でゆがんだ造船所のレールを直しに行ったんです。すると所長さんは「こんなやり方があるとは知らなかった。早く対応してもらえてありがたい」とおっしゃっていました。
嶋 それは喜んでくださるでしょう。工事は重機で地面を掘るのでしょうか?
小源寺 いえ、建物の配管を傷つけないよう基本的に私たちの手で掘ります。場合によっては5メートルほど潜ることもあるんです。そうして砕石やコンクリートの下地で地盤を補強して耐圧板を設置し、数百本の鋼管を打ち込んで建物を支えます。さすがに地下5メートルは空気も薄く危険なので、施工には細心の注意を払う必要があるんです。
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