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ご先祖様に導かれ、在家僧侶として活動<br />
葬儀やペット供養により地域の支えとなる

サービス

ご先祖様に導かれ、在家僧侶として活動
葬儀やペット供養により地域の支えとなる

良啓庵(りょうけいあん)
僧侶 小山 良啓

PROFILE

子どもの頃から、先祖と話すなど不思議な体験を重ねる。病気になった愛犬との悲痛な別れも経験し、40歳で仏門に入り僧侶に。その後、親の介護で寺を離れてからは在家僧侶になった。樹木葬での読経やペット供養など、従来の寺院の枠にとらわれない活動で地域の支えとなっている。

COMPANY DATA

良啓庵(りょうけいあん)

住所
〒029-3405
岩手県一関市藤沢町藤沢立石40-1
URL
https://ryoukeian.jp/

インタビュアー 石黒 彩

石黒 一般葬儀やペット供養などを行われる「良啓庵」さん。在家僧侶の小山良啓さんは、何をきっかけに仏門をたたかれたのでしょうか?

良啓 不思議に思われるかもしれませんが、私は子どもの頃からご先祖様などの霊が見える体質でした。また中学生の時には、飼っていた秋田犬がフィラリア症に感染し、下半身不随になってしまったんです。私は必死に看病しましたが、数年後、あまりにもかわいそうだということで獣医師の勧めで安楽死させることになりました。ところが保健所へ連れて行った際に、「どうして置いていくの」という愛犬の大声が頭の中に響いたんです。

石黒 そうしたさまざまな奇跡的な体験が、良啓さんを仏の道にいざなったというわけですね。

良啓 ええ。ある日、ご先祖様の霊が私の師匠となる僧侶の前に現れ、「明日、自分の子孫が来るから弟子にしてほしい」と拝んだそうです。それで、ご先祖様の力で私もまったく面識のなかった師匠のもとに導かれ、修行を開始しました。その後はお寺の僧侶を務めていましたが、十数年前、親の介護のため寺を離れ在家僧侶になり、一般のご葬儀やペット供養、お墓参り代行を続けています。特に力を入れているのは、先述した愛犬の話にもつながりますがペット供養です。犬も猫も人も同じ命、1つの家族なのだという信念のもと、祭壇を持参し正式な読経で天国への旅立ちを見送ります。

石黒 心を込めて供養をすれば、飼い主さんも心の区切りがつくと思います。

良啓 おっしゃる通りです。また、私は月に一度「良啓塾」という塾を開き、仏教に興味のある方、目に見えないものが見えてお困りの方、精神的に不安定で社会になじめない子どもたちなどにお話をしています。毎朝お仏壇に手を合わせるといった供養を忘れなければ、困った時も必ずご先祖様が救いの手を差し伸べてくださるということなどを伝えているんです。1つお話ししたいことがあります。庭の木を伐採したり、台所やお風呂場などの水回りをリフォームしたりする時には、必ず僧侶か神主を呼んで厄払い・おはらいをしてもらってください。私たち人間は木や水の精霊に守られている存在であり、お清めをせずに壊してしまうと命を持っていかれることもあるからです。

石黒 貴重なお話し、ありがとうございます。それではあらためて、お仕事に対する良啓さんの思いや今後の抱負をお聞かせください。

良啓 私は人間のご葬儀でもペット供養でも、自分の読経で泣き崩れるほど心が洗われる方の姿を見ると「本当に良かった」と感じます。亡くなった方やペットにとって何よりも悲しいのは忘れ去られることです。これからも人や動物とのつながりを保つ供養の大切さを伝え、地域の方々の心の支えになりたいですね。そして、社会の片隅で悲しい思いをしている人たちを気持ちと行動の両面で救い、「良啓さん、ちょっと来てもらえますか」と気軽に声をかけていただける僧侶であり続けます。