注目企業インタビュー
スペシャリスト
地域活性化コンサルタントとして
吉野材の活用を促し伝統産業を守る
株式会社B-Labo
代表取締役 / 行政書士 細川 雅康
PROFILE
奈良県吉野町出身。大学卒業後、地元の地方自治体に入職する。30年近くにわたり公務員として働き、財政、企画、観光産業部門などに従事。吉野の基幹産業である木材関連産業の活性化にも取り組む。民間の立場から吉野の伝統産業を守るべく、(株)B-Laboを立ち上げた。
COMPANY DATA
株式会社B-Labo
- 住所
- 〒634-0042
奈良県橿原市菖蒲町1-30-3 - URL
- https://bliss-labo.co.jp/
濱中 まずは、細川社長が独立されるまでの歩みをお聞かせください。
細川 私は奈良県の吉野町出身で、大学卒業後は地元の地方自治体に就職し、30年近く公務員として働きました。財政・企画・観光産業部門の業務に従事し、吉野の基幹産業である木材関連産業の活性化にも取り組んでいたんです。その中で、日本の林業・木材関連産業の現状に危機意識を持つようになりました。今の日本では、安価な外国製木材の流入や住宅着工数の減少などが原因で国産の木材の需要が減り、伐採期を迎えても行き場のない木が山にあふれているんですよ。吉野材の需要も大幅に減少し、後継者不足で廃業する会社さんも多いんです。そこで、自由に動ける民間の立場から木材関連事業の再興に貢献すべく、当社を立ち上げました。
濱中 吉野材はブランド材というイメージがあったので、そんな課題があるとは非常に驚きです。現在、会社としてはどのような事業を手がけていらっしゃるのですか?
細川 地域活性化を目的としたコンサルティング事業と、木工事業に取り組んでいます。コンサルティング事業では、地域資源を活用したビジネスモデルのご提案、地域コミュニティの連携強化など、幅広い領域から支援をご提供しています。また、木工事業では、木材やオリジナル商品の販売を行っているんです。当社の事業を通じて、地域の森林資源の有効活用を促し、伝統や技術の継承をサポートしたいと考えています。
濱中 それにしても、吉野材の行き場がないとは・・・。非常にもったいないですよね。
細川 まったくその通りです。吉野材は、年輪が細かく、その幅が均一で強度が高いんです。また、節が少なく、真っすぐなんですよ。
濱中 それはやはり丁寧に育てているからなのですか?
細川 ええ。吉野では、一般的な基準の約3倍もの密度で木を植えます。その後、成長に合わせて、一部を伐採したり、枝を切り落としたりしながら、親子3代で80~100年かけて木を育てていくんです。ただ、吉野材は主に卸売りで小売りが少ないため、その魅力が十分に伝わっていません。そこで、2024年7月にECショップを立ち上げたんです。
濱中 それは革新的ですね!どのような商品を販売されているのですか?
細川 オリジナルのアイアン家具や、DIYキット、DIYに活用しやすい1×4、2×4規格の木材などを販売しているんです。これらの商品はすべて地元の製材会社さんと協力して開発したんですよ。
濱中 DIYが流行している今、吉野材の魅力を広げる大きなきっかけになりそうですね。今後についてはいかがですか?
細川 今後は海外へも販路を広げていきたいと考えています。吉野材の価値を国内外の人々に伝え、吉野の伝統産業を守れるようにこれからも尽力していきます。