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Challenge+(チャレンジプラス)

注目企業インタビュー

金融機関や医療機関のAI活用を支援し
ビジネスの価値を最大限に高める

 

本質的なAI活用で課題解決に貢献

▲ データサイエンティストの後藤雅登氏[写真左端]、最高戦略責任者の福永健二氏[写真右端]と共に

 AIには、具体的にどのような活用方法があるのですか?

鈴木 例えば、金融機関がAIを導入すると、クレジットカードや住宅ローン審査の最適化が可能になります。金融機関はその方の信用情報や返済能力をもとに審査の判断をしますが、その判断のもととなるのは人間が扱える量・範囲の情報です。ですから、本来は審査を通しても良い方を落としてしまっている可能性があるんです。多量のデータを多角的に分析できるAIを導入すれば、審査の最適化ができ、貸すべき方に貸し付けができるようになるんですよ。また、書類作成などの事務作業をAIで一気に効率化することもできます。

 私たちエンドユーザーにはどのような影響があるのでしょうか?

鈴木 銀行口座の開設やクレジットカードの申込みが迅速に行えるようになります。クレジットカードの審査結果がすぐにわかって申請の3分後には利用できるようになる、銀行口座の開設が1分で完了するなど、手続きにかかる時間が大幅に短くなるんです。またファイナンシャルアドバイザーに頼らずともAIを利用することで、投資についてのアドバイスが24時間いつでも受けられるようになります。

 鈴木社長が考える御社の強みについてもぜひ、お教えください。

鈴木 私たちの強みは、AIの知識に加えて、ビジネスの現場に対する知見を持っていることです。私は前職で金融機関のお客様を中心にコンサルティングを行い、その中で金融機関に常駐する形でお仕事をさせていただいたことがあります。ですから、業務の流れや現場の課題を深く理解しているんです。AIはあくまで、課題解決のための手段に過ぎません。ですから重要になるのは、使う人間がどれだけ高い解像度で課題を理解しているかということです。私たちはビジネスの現場を深く理解しています。だからこそ、本質をついたご提案で企業様の課題解決に貢献できるんです。

 AIというテクノロジーを生かすも殺すも使い手次第だと。

鈴木 その通りです。実は、当社の社名にはその考え方が反映されているんですよ。「一歩千金」は、「小さなものでも使い方次第で大きな価値を持つ」という意味の将棋の格言です。お話ししたように、AIは単なるツールです。それをうまく活用して、お客様のビジネスの価値を最大限に高めるのが我々の存在意義だと思っています。社員の皆さんには「お客様に金額以上の圧倒的なリターンを提供することで、選ばれ続ける存在になろう」と常に呼びかけているんです。
 

人とAIの共働で新たな価値を創出

 最近は、音楽業界にもどんどんAIが進出していて、仮歌にもAIが使われるようになっています。AIの存在感が増していく中で、人とAIが共存し、より良いものを生み出すことが大事だと考えるようになりました。

鈴木 おっしゃる通りだと思います。ですから私たちもAI開発をする時は、全体の作業の80%はAIが、最終的な判断を含めた残りの20%の作業を人間が担当するという形にしているんです。AIと人間が協力することで、より良いアウトプットができると考えています。

 それでは最後に、今後のビジョンについてお聞かせください。

鈴木 まずは「AIのビジネス活用と言えば『Ippu Senkin』」と言っていただけるような存在になりたいですね。また、ゆくゆくはAIを活用した新たな事業を立ち上げたいと考えているんです。私は、AIが世界を大きく変えると信じています。その変革をリードする新たなサービスを我々の手で生み出すことが私の大きな目標です。
 

GUEST COMMENT

嶋 大輔

「AIはツール。ですから、どう使うかで生み出せる価値の大きさが変わるんです」とおっしゃっていた鈴木社長。そうなると、企業にとって重要なのは誰に支援を依頼するかということ。その点、AIの専門知識を持ち、現場の業務にも精通していらっしゃる社長になら安心してお任せできると感じました。これから、社長の力でぜひ、新たな時代を切り開いてください!

 
 

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