PROFILE

大学卒業後は（株）野村総合研究所に就職し、6年にわたり多くの企業の経営コンサルティングに従事。その後（株）スクウェア・エニックス（当時・（株）スクウェア）へ転職して新規事業の立ち上げや企画に携わり、PwCコンサルティング（同）（当時・朝日アーサーアンダーセン（株））を経て、再び野村総合研究所へ復帰する。20年以上のキャリアを生かす形で2020年からは明星大学経営学部の教授に就任。現在は大学教授と中小企業診断士の二刀流でマルチに活躍している。

COMPANY DATA

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宮地　大学教授であり、中小企業診断士でもあるという安岡代表。以前は（株）スクウェア・エニックスにも在籍していらっしゃったそうですね。現在は、大学で主にどのようなことを教えていらっしゃるのですか？

安岡　授業では企業や事業の戦略を、どのように策定し実践するかについて考えていきます。具体的には、ある企業やビジネスを取り上げて学生自身に調査や分析をしてもらうんです。そうして経営戦略の理論を身に付けたり、経営戦略を策定する力を養ったりすることが授業の目的ですね。

宮地　現場を知り尽くしている安岡代表だからこそ、学生さんに具体的なアドバイスができるのでしょうね。

安岡　そうですね。私はずっとビジネスの最前線で仕事をしてきたので、幅広い事例に対応できるのが強みだと思っています。今でも授業が入っていない日には、企業経営者などに向けてコンサルティングをしたり、執筆活動をしたりしているんです。他にも、さまざまな業種の企業の幹部や企画担当の方など、前職時代の人脈も生かしながら、豪華なゲストをお招きしてより実践的な授業を展開しています。

宮地　お話から、安岡代表がこれまでに積み上げたキャリアとスキルが存分に発揮されている様子が伝わってきます。自分の力で活躍の場を広げていくところは、私の仕事とも共通点を感じます。

安岡　コンサル業は1人から少人数で仕事をすることが多く、自分でつくった資料を発表して報酬をいただくという意味では、「ビジネス界のタレント業」と言えるかもしれません。宮地さんのように、実際に芸能界で活躍されている方とお話しするのは初めてなので、苦労されたことや印象に残っていることなどをうかがいたいです。

宮地　私はある舞台で高熱を出してしまったのですが、最後まで演じきったことがあります。39度の熱の中「やらなきゃ」という気力だけで3時間演技をし、記憶にも残っていないんです。でも、演出家の人に「今までで一番よかった」と言われたんですよ。

安岡　それはかっこいいエピソードですね。プロとそうではない人の違いは、覚悟だと思います。そもそも、宮地さんが芸能の世界に入ったきっかけは何だったのでしょうか？

宮地　私はオーディションで芸能界に入りました。正直、最初はアルバイト感覚でやっていたのですが、NHKの朝ドラのオーディションでヒロインに抜てきしていただき、それを機にこの世界で生きていくのだという自覚を持ったんです。

安岡　それが、宮地さんの覚悟が決まった瞬間だったのですね。私も仕事では手を抜かないことを大切にしており、体調が悪い時もマスクをして座って講義をしたことがあります。お金をいただいているという意味では、学生もクライアント企業も同じです。「少しでも手を抜けば次はない」――そう思って仕事に臨んでいるので、宮地さんのお話には大変共感しました。

宮地　嬉しいですね。業種は違えども、仕事に覚悟を持つことは大切ですよね。最後に、今後のビジョンなどはありますか？

安岡　今の若い人は、自ら苦労を買うような泥臭いことはしないと思うんです。でも、楽しみながらでも努力してほしいと思っていて。頑張ることがかっこいいということを、学生に伝えていきたいですね。経営戦略を学ぶことを通じて、自分自身の“戦略”を立てて社会で活躍できる人材を育てると共に、これからも診断士として企業の経営分析や戦略策定などを支援していきます。