PROFILE

約14年にわたって葬儀業を手がける。さまざまな人の死と向き合う中で、自分のやりたいことに挑戦したいという思いが募り、40歳で農業の道へ。1年間の農業研修を経て、2020年に「VIVA DaD」を立ち上げる。2024年には「野菜ソムリエサミット」で銀賞を受賞。

COMPANY DATA

VIVA DaD（ビバ ダディ）

住所

〒 880-0924
宮崎県宮崎市郡司分5612-2

URL

https://www.viva-dad.com/

矢部　宮崎県でキュウリ農業をされている「VIVA DaD（ビバ ダディ）」さん。まずは、瀬戸長代表が農業の道に進まれたきっかけを教えてください。

瀬戸長　私は、以前は企業勤めで、葬祭業に14年ほど携わっていたんです。たくさんの方の死を看取る中、兄も40歳で亡くなって―その時に、「もっと自分の人生の中でやりたいことに挑戦したい」という思いが強くなり、40歳で一念発起して就農することを決めました。そして農業大学の研修センターで1年ほど学び、2020年9月に「VIVA DaD」を立ち上げたんです。

矢部　キュウリに特化している理由についても、ぜひおうかがいしたいです。

瀬戸長　宮崎県は、キュウリの生産量が日本一なんです。だからこそ、宮崎の特産品として、この土地のキュウリを広めていきたいという思いから栽培を続けています。その中でも、当園が特にこだわっているのは「鮮度」です。シャキシャキな食感を楽しんでいただけるよう、品質管理には常に力を入れています。このイボが常に立っている状態はとても元気でみずみずしく、新鮮な証なんですよ。

矢部　確かに、街中で見かけるキュウリとは違って、イボがしっかりしていますね。しかも、一本一本がとても立派です！

瀬戸長　ありがとうございます。当園では農薬の使用量を減らし、生態系に配慮した害虫対策を施すことで、できる限り安全・安心に食べられるキュウリを目指しているんです。また、成長の要である土づくりにもこだわり、繊細な土壌のコントロールを徹底しています。おかげさまで、2024年1月には野菜ソムリエサミットで銀賞を受賞することができました。キュウリで金賞を受賞した方はまだいないので、今度はそこを目指してより質の高いキュウリづくりをするべく試行錯誤を続けています。

矢部　まさに瀬戸長代表は、同じように農業に一から挑戦したいと考えている方の道しるべだと思います。

瀬戸長　この仕事は知識やスキルが必要ではありますが、きちんと学べば、自分のブランドの野菜を全国に届けることができます。何よりお客様の笑顔や、食べていただいた時の「おいしい」という言葉が大きなやりがいにつながるんです。また、自分らしい働き方ができ、プライベートの時間を比較的自由に確保できる点も、この仕事の大きな魅力ですね。

矢部　今後についてはいかがですか？

瀬戸長　まずは2年以内に、ハウス面積を現在の2倍以上にすることが目標です。そして環境が整い次第、キュウリだけではなく、新たにナスやトマト、キンカンなどの栽培も始めたいと思っています。また、農園や果樹園を手放される高齢の方も多くなってしまった中、そうした方々の思いもしっかりと引き継いで宮崎の農業を盛り上げ、より多くの方に農業の楽しさを伝えたいですね。

GUEST COMMENT

矢部 美穂

SNSの台頭から、どのような人が、どのような思いで生産しているのかが気になるようになった現代において、瀬戸長代表のように誠実な農家さんの野菜が食べられると思うと、とても安心できます。今後も、キュウリだけでなく、さまざまな野菜を育ててより多くの方を笑顔にしていってくださいね。