注目企業インタビュー
建設
建物の基礎を担う“縁の下の力持ち”
人材育成にも注力する鉄筋工事会社
宮島鉄筋 株式会社
代表取締役 / 一級技能士 宮島 哲也
PROFILE
長野県松本市出身。高校を中退し建設会社に就職。鉄筋工事の職人になる。会社を移りながらビルやマンションから橋、道路までさまざまな施工でキャリアを積む。その後、営業職や介護職も経験し、2012年に建設業へ戻り、2021年に独立。2023年には法人化も果たした。
COMPANY DATA
- 住所
- 〒390-1242
長野県松本市和田 - URL
- https://www.miyaji8739.com/
石黒 宮島社長は、これまでに建設業だけでなく、さまざまなお仕事を経験されてきたそうですね。
宮島 はい。10代で職人の道へ進み、10年ほどで技術を身に付けた後は、人材派遣会社の営業をしたり、介護の仕事に携わったりと、多くの経験を積んできました。やがて4人の子どもに恵まれ、家も建てたことから「家族をしっかり養わなければ」と思い、再び建設業に戻って独立することにしたんです。
石黒 ご家族のために一念発起されたのですね。現在は、どのような工事を手がけていらっしゃるのですか?
宮島 当社では建物の基礎となる鉄筋工事を専門に手がけております。お客様と近い距離感で仕事をしたいという思いから、ビルなどの大規模な現場ではなく、個人宅に絞って一軒一軒、丁寧な施工をさせていただいているんです。
石黒 お仕事をされる際に、普段から心がけていらっしゃることはありますか?
宮島 多くのお客様にとって、マイホームは一生に一度のお買い物です。だからこそ、完成後には見えなくなる基礎部分もしっかりと施工しようという気持ちで現場に臨んでいます。また、ご家族で現場を見に来られるお客様もいらっしゃるので、気持ちの良いあいさつをしたり、見学の際にお子様がケガをしないよう現場をきれいに保ったり、当たり前のことを当たり前にする意識も徹底しているんです。そうやって「現場に入った時よりきれいにして帰る」ことは、次の工程で仕事をする職人さんの働きやすさにもつながりますからね。
石黒 それは素晴らしい。そうした細やかな部分にまで気を配っていただけるとお客さんも安心です。宮島社長の理念は、スタッフの方々とも共有していらっしゃるのでしょうか?
宮島 ええ。ただ育成においては過度に厳しくすることはなく、じっくり時間をかけることを大切にしています。どんな仕事も、本人にやる気があれば必ずできるようになるものです。私はそのやる気をそがないようにしつつ、同じことも覚えるまで根気強く教えます。そうするとどこかでドーンとジャンプアップしてくれるので、それまで我慢してあげることが大事だと思っているんです。
石黒 懐の深い宮島社長の下でなら、スタッフさんたちものびのびと成長することができそうです。では、会社のビジョンについてもお聞かせください。
宮島 今後も質の高い施工によって元請けのハウスメーカーさんから「誰が見ても宮島鉄筋のほうがいい」と選ばれる存在であり続けたいですね。また、この仕事は年齢を重ねると現場に出るのが難しくなります。今頑張ってくれているスタッフのためにも若い職人を育てながら別の業種に進出し、建設と合わせて少なくとも3本の柱を立てて、皆が安心して働ける会社にしていこうと思います。
GUEST COMMENT
石黒 彩
ご自身のこと、ご家族のことを考えながらキャリアを積んでこられた宮島社長。その計画性が会社のかじ取りにも生かされていると思いますし、明確なビジョンを持っていらっしゃるぶん、下で働く職人さんたちも付いて行きやすいのだろうと感じました。他業種へ進出し、さらに飛躍されることを期待しています。