注目企業インタビュー
建設
出前授業で高校生に職人の魅力を発信
左官を誇りの持てる未来ある仕事にする!
株式会社 英和技研
代表取締役 鈴木 隆之
PROFILE
ホテルでの勤務を経て1996年、21歳で左官職人に転身し、経験を積む。2002年に創業者・薄井晃取締役統括に誘われ(株)英和技研に参画。その後、取締役に就任する。2021年からは2代目代表取締役に。高校の出前授業を通じて新卒の職人を増やすなど、左官職人のイメージを変える革新的な挑戦を次々に実行している。
COMPANY DATA
株式会社 英和技研
- 住所
- 〒 321-0157
栃木県宇都宮市幕田町383-1 - URL
- https://eiwagiken.jp/
高齢化が進む業界のイメージを変えるため、高校への出前授業などで積極的に左官職人の魅力を発信する(株)英和技研。人材の若返りや人間性を備えた職人の育成、多能工職人の供給に力を注いでいる。鈴木社長の会社づくりの秘訣に、俳優の名高達男さんが迫った。
ホテル勤務から左官職人に転身
名高 若い人材の積極的な採用で左官業界を盛り上げる(株)英和技研さん。まずは、鈴木社長のこれまでの歩みからお聞かせください。
鈴木 私は以前、鬼怒川温泉のホテルに勤務していましたが、結婚を機に転職を考えるようになったんです。そこで義父が左官職人だったことから、私も21歳の時にこの業界に飛び込み、ベテランの中でもまれながら経験を積んでいきました。そして、私が27歳になった2002年に、創業者である薄井晃取締役統括に誘われて当社に参画したんです。
名高 なるほど。そこからどのような経緯で、鈴木社長が代表取締役になられたのでしょうか?
鈴木 「そろそろ交代しよう」という薄井の希望で、2021年に私が代表取締役を引き継いだんです。しかし、現在も薄井は第一線で社員育成に力を注いでいて、若い従業員と共に現場で汗を流しているんですよ。
名高 トップの方が現場に出続けて後継を率いていらっしゃるということで、社内全体の士気も上がることと思います。人材の採用で意識している点についても、ぜひおうかがいしたいです。
鈴木 人材面で言えば、当社も以前は同業他社と同じく職人の高齢化が進んでいました。また、これまでは人材をかき集めるため、業界の風土からどうしても、いわゆる不良だったり社会から道を外れてしまったりする人間を採用する場合も珍しくなかったんです。しかし、このままでは会社にも業界にも未来がない――そう感じた私は、若い人材にとっての左官職人のイメージをより良くしたいと決意し、10年前からさまざまな改革に着手してきました。
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