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注目企業インタビュー

人のためにという気持ちで頑張る

宮地 そうした実力は徳之島にいた頃に身に付けたものなのでしょうか?

宮元 はい。現場に着いて「材料が足りない」となった場合でも、東京なら近くにホームセンターがあるので簡単に入手できますよね。でも、徳之島では注文して船便で届くまで1週間も待たなければならないんです。絶対にミスが許されない環境で力を蓄えた私は、今も当社の職人や協力会社のスタッフ50人以上に、準備から施工まで決して気を抜くことのないよう教育しています。また自分のことばかり考えるのではなく、人のために働くことの大切さを伝えているんです。

宮地 自分ではなく人のために。その真意をぜひ詳しくお聞かせください。

宮元 道路にしろ建物にしろ、建設は人様のお金で人に喜んでもらうためにものをつくる仕事です。だから「8時から17時まで働けばそれで終わり」「給料をもらえればそれでいい」といった、職人の自己満足で終わってはいけないと考えています。「人のために」という気持ちで頑張れば、お客様が評判を広めてくださるのでお金は後からついてくるはずです。逆に、自分がお金を払っていると想像すれば、言い訳や手抜き工事は絶対にできなくなるものですよね。

宮地 おっしゃる通りです。身近な道路工事の現場でも、少し気を配ればトラブルがなくなりますよね。

宮元 まさにそうなんです。職人が目の前の家の塀に道具を立てかけたり、周囲を汚したまま帰ったりしたら当然クレームになります。それが自分の家だったらどうかと想像すれば、「工事をしているんだから仕方がない」で済ませるわけにいかないとわかるはずなんです。このような考えを共有する当社の方針は、ありがたいことにお取引先から評価されて仕事も増えており、人手が足りません。
 

女性が働きやすい環境を整える!

宮地 では、あらためて人材育成に関する宮元社長のお考えを教えてください。

宮元 私は、建設業界で活躍する女性を育てたいんです。現在、17歳の女性を雇用し、施工管理や重機オペレーターとして育成していますが、他にも防災士・福祉住環境コーディネーター・設計など女性にできる仕事はたくさんあります。自宅にいながらリモートワークが可能な業務も多いので、シングルマザーでも子育てと仕事を両立できるはずです。また、女性が働きやすい環境を整えれば、国や自治体の税収も増え、公共工事にお金が回ってくる可能性もあります。

宮地 確かに、無理に力仕事をしなくても女性ができる仕事はいくつもあると思います。ぜひ、宮元社長の力で建設業界に革命を起こしていただきたいですね。それにしても、社長を事業に駆り立てる情熱の源泉が気になります。

宮元 私の祖父はすでに他界してしまいましたが、父は現在も奄美大島で建設業に従事しているんです。昔は父に反発し、よくけんかをしていましたが、今では同業者としてお互いに支え合う関係になりました。また、私は妻と子どもを奄美大島に残し1人暮らしをしているんです。私が祖父や父の背中を追いかけたように、長男も「人のために」と陸上自衛隊で、次男も建設業界で活躍するために努力しています。彼らに負けないよう、いつまでも頑張ろうという気持ちが私の原動力ですね。

宮地 力強いお言葉です。宮元社長のさらなるご活躍を楽しみにしています!

宮元 ありがとうございます。私にとって建設の仕事は、お金をいただいて楽しめる趣味のようなもので、どんな現場でも「つらい」「きつい」と感じたことがありません。自分の仕事を評価していただけた時に大きな喜びを感じるんです。今後も「できない」という言葉は使わずにやるための方法だけを考える――この姿勢でどこまでも突き進みます!

GUEST COMMENT

宮地 真緒

心からお客さんのことを考える宮元社長は、現場で信頼を築き上げ信用を勝ち取ってきた方。だから、独立してもお仕事の依頼が絶えないのだと理解できました。仕事を楽しむ姿勢を背中で見せ、大事にするべきことを明確に説明する社長の下でなら、やる気と向上心にあふれた若者が次々に育つことでしょう。輝天エンジニアリング(株)さんの躍進に私も期待しています!

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