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Challenge+(チャレンジプラス)

注目企業インタビュー

小川 私は以前、ブライダル向けの生花店で働いていました。正木の仕事は、私にとってまったく未知の分野でしたが、いざお会いして話してみると、考えていることやものの捉え方も、最初から“ツーツー”というか、驚くほど共感できたんです。だから、あと10年暴れたいんだという正木の気持ちを聞いた時、一緒に暴れさせてくださいと率直にお伝えしました。正木からは好きなようにやっていいと言われていて、こんなに伸び伸びと働けるステージを用意していただいたことにこの上ない喜びを感じています。

正木 例えば商品のセールスへ行く時など、私はどうしても技術畑の人間ですから、熱意が先走ってつい小難しい話をしてしまいがちなんです。その点、小川は物腰柔らかく話ができますし、場も自然と和むので、当社の技術を広めていくうえでは、彼女のような存在が必要不可欠だと思っています。

食品残渣を「アップサイクル」する

水野 では、正木社長が開発されたという「DRY-ACT」について、詳しい性能をぜひお聞かせください。

正木 当社の過熱水蒸気発生装置「DRY-ACT」は、これまで廃棄されてきた野菜くずなどの食品残渣を、殺菌したうえで粉末にし、高温水蒸気で乾燥させる装置です。栄養価を凝縮した新しい食品として、米ぬか・大豆・小豆・しいたけなどのパウダーを当社通販サイトで販売しております。

水野 サイトを拝見したところ、「DRY-ACT」本体も購入可能なのですね!

正木 はい。実は、今ご紹介したパウダーも、「DRY-ACT」をご購入いただいた会社で製造されているんですよ。単なるリサイクルではなく、既存のものに付加価値を付けてご提供する「アップサイクル」の商品である、という点にもぜひ注目していただきたいと考えています。

水野 すごく可能性を感じますし、これほどの装置を独力で完成させた正木社長のエネルギーにも脱帽です。

正木 環境事業と銘打ってはいますが、私自身が楽しみながらやっているので、続けられているんです。自分の仕事にここまで没頭できたことを誇りに思いますし、今は技術を次の世代に残すことと、女性の社会進出という新しい目標も定まって、毎日が充実しています。

水野 正木社長が「やり切った」と思える日はやってくるのでしょうか?

正木 この感じだと、死んだ後も何かやってそうですね(笑)。この事業が世の中へ広がっていくことを考えると、私の活動が止まることはないと思います。

小川 私も「何でも来い」という気持ちでいます。人が好きで、人に喜ばれることが無性に好きなんです。これから事業がどんな方向に広がっていっても、目の前の方に喜んでいただくことを第一に突き進んでいきます。

正木 私がこの事業でたどり着いた答えは「思いやり」です。皆が環境に思いやりを持ってくれれば、地球の未来もきっと変えられます。(株)アクトデザインの事業がそんな未来への一助となってくれたらいいですね。

GUEST COMMENT

水野 裕子

環境問題の解決を目指す技術は常に注目の的ですが、正木社長が開発した「DRY-ACT」も、食品ロスを減らすという観点で世界に大きなインパクトを与えられるのではないかと思います。小川さんという強力なビジネスパートナーを得て、これから事業がますます加速していくことは間違いないですね。つくば発のイノベーションが、大いに羽ばたくことを期待しています!

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