注目企業インタビュー
製造・技術
食品のアップサイクルで未来を切り開く
環境事業を通じ女性の社会進出にも寄与
株式会社 アクトデザイン
代表取締役 正木 則久
マーケティング統括責任者 小川 和恵
PROFILE
株式会社 アクトデザイン
代表取締役 正木 則久
茨城県出身。食品関連の企業に勤務した後、33歳で起業。あらゆる有機物を乾燥させる技術を足がかりに環境事業へ進出し、食品残渣をパウダー化して新たな食品へ変換する装置を開発。2023年9月に(株)アクトデザインを設立した。
マーケティング統括責任者 小川 和恵
ブライダル向けの生花店に長年勤める。正木氏と出会い、純粋に人を喜ばせたいという気持ちが通じ合い意気投合。(株)アクトデザインの事業に参画し、現在はマーケティング統括責任者として商品販売に貢献している。
COMPANY DATA
株式会社 アクトデザイン
- 住所
- 〒305-0035
茨城県つくば市松代2-10-2
茨城県つくば市に拠点を置き、日本が頭を悩ます食品ロス問題の解決につながる独自技術で注目を集める(株)アクトデザイン。技術の普及に全力を注ぐ正木社長と、その情熱に呼応するマーケティング統括責任者の小川氏に、タレントの水野裕子さんがインタビューした。
原点となった「物を乾かす技術」
水野 (株)アクトデザインさんは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう、いわゆる食品ロスを減らす画期的な技術の普及に取り組んでいらっしゃるそうですね。まずは、正木社長のこれまでの歩みからお聞かせください。
正木 私は食品関係の会社に勤めた後、33歳で起業して「物を乾かす」ことに焦点を当てた技術開発に携わってきました。最初は木材の乾燥をメインに手がけ、建築会社と取り引きをしていましたが、私は1つの業界にとどまるつもりはなく、事業のテーマは一貫して「環境」でした。木材がうまくいくようになると、その後は野菜や生ごみ、汚泥の乾燥とさまざまなご依頼を受けるようになり、次第にどんな物でも乾かすエンジニアリングの会社になっていったんです。
水野 以前から、今の事業の原型となる技術を開発されていたのですね。では、この度あらためて新会社を設立された理由は何だったのでしょうか?
正木 これまで約30年、ずっと同じテーマと向き合い、実績を残してきたものの、この先もし自分が死んでしまったら、せっかくの技術が埋もれてしまう、という反省があったんです。そこで、2023年に還暦を機に当社を立ち上げました。今は、「あと10年くらいは“大暴れ”させてもらって、無形資産を残して後輩諸氏につないでいこう」という志で日々の仕事に臨んでいる次第です。
女性の社会進出をサポートしたい
水野 正木社長は現在、マーケット統括責任者として小川さんを迎えられ、共に事業を展開されているそうですね。こちらの経緯についても教えてください。
正木 今回の起業に当たっては、女性の社会進出を後押ししたいという気持ちがあり、共に歩むビジネスパートナーとして小川に来てもらいました。彼女はシングルマザーで、家のことも忙しい中、環境ビジネスのトップに上り詰めたいという情熱を見せてくれたので、「ぜひ一緒にやりましょう」と声を掛けたんです。先日も、九州出張の話が舞い込み、さすがに彼女には頼めないかなと思っていたら、お子さんを実家に預けられるよう手配したうえで「行けます」と言ってくれて。本当に頼もしい存在です。
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