一歩を踏み出したい人へ。挑戦する経営者の声を届けるメディア

Challenge+(チャレンジプラス)

注目企業インタビュー

動画の謝礼で子ども食堂の運営を支援

矢部 では、武川社長が注力していらっしゃる事業の具体的な内容について、ぜひ詳しく教えてください。

武川 当社は、子ども食堂で子どもたちが食事をしているシーンや日常の風景を、運営者さんの許可を得て動画で撮影し、謝礼をお支払いしています。撮影した動画はYouTubeやTikTokにアップし、その広告収入を事業の運営資金としているんです。もちろん、子どもたちのプライバシーにはしっかり配慮していますので、ご安心ください。

矢部 なるほど。視聴者は動画を見るだけで、子ども食堂へ寄付ができる仕組みになっているのですね。

武川 おっしゃるとおりです。また、私たちは賞味期限切れや規格外などを理由に捨てられる食材を店舗や企業から集めたり、サイズが合わなくなった服や使わなくなったおもちゃをご家庭から募ったりして、生活に困っている方々へ届ける活動にも力を入れています。

矢部 子ども食堂への食材提供は、大手企業も取り組んでいると耳にしたことがあります。(株)エムアンドエムさんのご活動は、それらとは一線を画しているのでしょうか?

武川 はい。企業の食材提供の多くは、自社の宣伝も兼ねており、実際には普通に使える食材を提供しているケースも多く、その意味ではフードロスの改善にはあまりつながっていないんです。その点、当社は放っておけば廃棄されてしまう食材で子ども食堂を支援することで、本当の「循環型社会」を目指しています。

矢部 これは見事なご活動です。ぜひ、地域に根付いていってほしいですね。

武川 実は、すでに地元の主婦の方や高校生たちにスーパーや農家さんを回っていただき、廃棄予定の食材を集めていただいているんですよ。私たちの目標はこうした活動を世界に広げること。「エムアンドエム」という社名も、世界中の方に当社の活動を認知していただきたいという思いで付けたんです。

manami 新しいことに挑戦するのは大変ですが、常に新しい出会いがあり、新しい発見をさせてくれるこの仕事は、刺激的でとても楽しいですね。

気持ちをつなげて仲間を増やす

矢部 子ども食堂の運営にはたくさんの課題があると思います。(株)エムアンドエムさんのご活動で、それらが1つでも多く解決することに期待したいです。

武川 ありがとうございます。子ども食堂には自治体からの資金が入ることもありますが、それらは食材の調達にしか使えず、食器などの備品購入や、現場のスタッフさんの飲食費にすることはできないんです。それでもスタッフさんたちは、仕事を始める前に円陣を組んで、気合いを入れて頑張ってくれています。私たちはそういった様子も撮影して、謝礼をお渡ししているんです。「これで食器を買うことができます」と喜んでくださるスタッフさんの笑顔を見られることが、何よりのやりがいになっています。

矢部 最後に、この先に出会う方へ向けたメッセージをお願いします。

武川 当社のロゴである「m × m」は、2つの「m」で「my mind=私の気持ち」を表し、中央の「×」は「仲間」を表現しています。一人ひとりが自分の気持ちを大切にしながら世界とつながり、仲間を増やしていける。そんな場所を当社がつくっていけるよう、これからも皆で一丸となって走り続けます!

GUEST COMMENT

矢部 美穂

子ども食堂の裏側には、まだまだ多くの課題があると、今回のお話をうかがってよく理解できました。その中で、社会貢献を正しい形で循環させるべく奮闘していらっしゃる武川社長。誰よりも熱い思いと挑戦心をお持ちで、心から感銘を受けました。manamiさん、shigekiさんを含め、これからも信頼できる仲間を増やしながら、生活に困っている方を助けてください!

1 2

躍進企業応援マガジン最新号

2024年9月号好評販売中!