PROFILE

鹿児島県阿久根市出身。地元のガソリンスタンドに10年勤めた後、愛知県の洗車専門店に移って洗車の腕を磨く。2021年に（株）アークネイを設立。翌年5月、同社が運営する「Plus 手洗い洗車コーティング専門店」を刈谷市にオープンした。中性・アルカリ性・酸性の洗浄液を併用した手洗い洗車サービスが好評を集めている。

COMPANY DATA

「Plus 手洗い洗車コーティング専門店」は、大切な車を新車のようにきれいにしてくれるプロの店。中性・アルカリ性・酸性の洗浄液を併用した洗車により、多くのオーナーに喜ばれている。全国展開も見据える福留社長に、タレントの嶋大輔さんがインタビューした。

両親との別れをきっかけに洗車で独立へ

嶋　「Plus」さんは手洗い洗車とコーティングの専門店だとうかがっています。まずは、福留社長のこれまでの歩みから教えてください。

福留　車に関わる仕事は、出身地の鹿児島にあるガソリンスタンドが最初です。19歳から29歳まで勤め、最後は店長をしていました。タイヤ交換や給油などさまざまな仕事がある中で、洗車が一番好きだったんです。ある時、赤い軽自動車に乗ってこられたおばあさんの車を洗ってワックスがけをしたら、泣いて喜んでくれたことがあります。昔の色味が戻ったらしく、亡くなった旦那さんを思い出したそうで。

嶋　良い話ですね。そんなスタンド勤務を経て、その後はどうされたんですか？

福留　30歳を前に転職を思い立ち、洗車用洗浄液のラベルに書かれた販売元に片っ端から問い合わせたところ、愛知県の会社が洗車の専門店を経営しているとわかり、猛アピールして入社しました。

嶋　それで愛知に来られたんですね。独立のきっかけは何だったのでしょうか？

福留　37歳の時に母が他界し、母親っ子だった私はすっかりやる気をなくしていたんです。すると、しばらくして父も亡くなってしまいました。生前の父は漁師で、釣った魚の大半を友人や知り合いに配ってしまうので収入が乏しく、母がよく嘆いていたんです。でも、父の葬儀には思いがけずたくさんの方が来られて、皆さんが口々に「あなたのお父さんには本当にお世話になった」とおっしゃるのを聞き、父への印象がガラリと変わりました。「私もこういう人生を送りたい、人を喜ばせる仕事がしたい」と思うようになったんです。そして、私のただ1つのスキル──洗車でもう一度立ち上がろうと決意しました。