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注目企業インタビュー

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好循環から生まれる笑顔

─先の「隠しごとをしない」という話もそうですが、さらけ出すことが強さに繋がっている気がしますね。色々とご自身で努力されたのでは?

大橋 努力したというよりも、当たり前のことをしたという感覚のほうが強いですね。でもそのうち、当たり前のことがみんな簡単にはできていないことに気がついた。じゃあ、どうやったらそれができるようになるかを考え、形にしてきたつもりです。それこそ、お客様に挨拶するときの発声の仕方から教えましたよ。

─そうした取り組みは、組織全体の底上げに繋がりますね。

大橋 できる人間は教えなくてもできます。できない人間をできるようにすること、こちらのほうが大切ではないでしょうか。8の能力の人を10に持っていくより、2の能力の人を5に引き上げたほうが、全体でみた場合プラスになるだろうという単純な発想です。

─しかし御社のように住宅販売となると、動く額が非常に大きいですよね。特に入ったばかりのスタッフだと、先の当然意識を持ってしても重荷に感じてしまうのでは?

大橋 慣れないことをやるんだから、怖じ気づくのは当然。「ビビるならビビれ」と伝えています(笑)。そう思わなければ成長もないし、むしろ緊張したり縮み上がるからこそ人の気持ちが分かるようになるんです。だから、仮に「あいつは怯まず凄いな」という新人がいたら、もしかするとこの会社には必要のない人間かもしれない。ビビるべきときにビビり、初々しくあるべきときに初々しいからこそ年相応の人間力が身についていくわけですから、それでいいんですよ。
 だから最初は笑顔と初々しさがあればいい。経験は教えられない部分でもあるので、新しいスタッフにはとにかくお客様のもとに足を運んで経験を積もう、心の体力をつけようと伝えています。とかく世間は珍しいものを賞賛する風潮がありますが、尻込みしながらも頑張ろうとするその人間らしい姿勢のほうを、僕は賞賛したいですね。

─年齢に応じて着実に成長していけばいい、と。

大橋 ええ、そうでなければバランスが崩れます。例えば20代で会社を興して成功するなど若くして大金を手にした人間も見てきましたが、たいていの場合、考え方が乱暴になったり横柄になっていったりして、結局は身を持ち崩してしまうケースも少なくない。そうならないよう、心を鍛えるのが先だと僕は思いますね。よく、経営のノウハウ本などで「利益はあとから付いてくる」などと書いてありますが、本当にそのとおりだなと。自分の人生において多くの時間を費やすからこそ、利益のことを考えるよりもまず、どう楽しめるか、どう満足できるかを追求することのほうが大切だと断言します。

─まさに“先義後利”の精神ですね。

大橋 とどのつまり、自分が満足して初めて、人を満足させられるわけです。特に我々は「お客様の幸せをプロデュースする」仕事なので、なおさらその意識は強いですね。自分が幸せでなければ他人など幸せにできるはずがない。だからこそ僕は第一に、スタッフを大切にするんです。スタッフが自己実現を果たせるような環境づくりや仕組みづくりをしていけば、それがお客様の幸せに繋がり、最終的に会社の業績となる。業績があがればスタッフのモチベーションもあがり、さらなるサービス向上にも繋がっていく・・・。この好循環のスパイラルを生み出せば、関わる全ての皆さんが笑顔になれますよね。綺麗事を言うわけではなく、こうした人として当たり前に望んでいる感覚がおそらく、経営の本質なんだと思います。

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