コラム
そういえばカンタ叔父さんの会社、名前が変わったんだね。司法書士にお願いしたの?
そうそう!あれって司法書士の仕事なの?そのあたりよくわかってなくてさ・・・
だよね、私も行政書士だけど司法書士とよく間違えられるよ(笑)
僕もそろそろ独立を考えているし、士業とのお付き合いのことも勉強しないとな
値段交渉の秘訣
士業とのお付き合いで必ずと言っていいほど経営者を悩ませるのが、「その報酬額、妥当なんでしょうか?」という問題だと思います。そこでここでは、値段交渉の際のポイントをいくつかお伝えしていきます。
おまとめ発注は切り札になりやすい
仕入れも大量にすればするほど単価が安くなりますが、士業の場合は特に値引きが効きやすくなる傾向があります。理由の1つは、領収書・請求書等の書式に決まりがあり(行政書士の場合は毎回職印が必要になるなど)、それらの庶務を効率化しにくいこと、もう1つは単純に必要書類のやり取りをまとめられるため工数が減ることです。士業の業務は今もとにかく紙ベースのことが多いため、複数の仕事をまとめて依頼してもらうほうが、業務全体の工数を減らしやすいことが多いんです。
同業者や士業同士の紹介で適正価格に
士業同士で顧客を紹介しあうことはよくあるのですが、仕事でお世話になっている先生からの紹介は、非常に値引きを効かせやすくなります。1つ目の理由は、その先生の紹介という手前、法外な値段はもらいづらいという点、2つ目は自分がその先生に何かを外注したり頼んだりする時に安くしてもらいやすいという点が挙げられます。士業同士の紹介の場合は不適正な報酬を請求した時にバレやすく、それを業界内で広められてしまう危険性もあるので、報酬額には自ずと気を使うようになります。
内製化できるところを探る
士業の仕事はよく見ると、「自分たちでもできるところ」と「先生に任せたほうが早くて正確なところ」に分けられることがあります。もちろんこの細分化をするためには、多少なりとも業務について詳しくなる必要がありますが、「コストカット」に重きを置くのであれば、このやり方はとても有効です。
ケーススタディ
社長Aは自社で不動産事業を始めるため、宅建業免許を取得することになりました。しかし資金繰りが厳しいため、できるだけ行政書士報酬は下げたいところ。一方で、B先生のことはとても信頼しているので、できれば他の先生には頼みたくないと考えています。そこで社長Aはコストカットの余地を探り始めました。
社長A「先生。宅建業免許の申請書類のうち、大変な書類ってどれですか?」
B先生「やはり、役員全員の身分証明書などの手配でしょうかね。あとは登録する事務所の図面が必要になりまして、写真を撮ったり地図をつくったりしないといけないんです」
社長A(調べてみたところ、身分証明書は役員からの委任状があれば社員でも取得できると判明)「なるほど。それでは、身分証明書の手配は社内でやらせていただきます。また、写真や地図などの用意も自分たちでやらせていただけないでしょうか?」
B先生「身分証明書については承知いたしました。ただ、写真や地図などは要件を満たさないと再提出になってしまい、私のほうでの市役所とのやり取りが増えるリスクがありまして・・・」
社長A「そうでしたか。では身分証明書の取得はこちらで進めますので、少し料金をお安くしていただけないでしょうか?」
このように、士業が担う業務も細分化すれば内製化できる部分が出てくることがあります。訴訟行為など複雑すぎる業務では難しいかもしれませんが、社内でこのノウハウが蓄積されてくると、長期的にコストカットが可能となるのでお勧めです。業務フローを細かく聞き出すと先生のほうも警戒したり、印象が悪くなってしまったりするので、さりげなく雑談しながら探っていくことがポイントです。逆に許認可の更新など何度も必要となる手続きの場合は、1度コンサルティング料を払って内製化を目的とした社員教育をお願いするのも1つの手だと思います。
今月の課題:
自分の話し声を録音してみよう
「人は見た目が9割」という言葉がありますが、姿勢や所作、表情などの次に大事なのは「話し方」です。皆さんは、ご自身がどんな話し方をされているかご存じですか?これは知り合いの国会議員さんから聞いた話なのですが、ある有名な議員の方も選挙演説の時「どうしてこんなに人は止まってくれないんだろう」と思い、自分のスピーチを録音して聞き始めたそうです。天性のカリスマがありそうな方でも、人知れず努力をされているのですね。私も自分の録音を聞くと、話が長すぎる、早口になっているなどの発見があります。特にプレゼンや乾杯あいさつなどが控えている時は、腹をくくって録音してみると一気に表現力が成長しますので、ぜひ挑戦されてみてください。
小倉 早貴(おぐら さき) 1999年8月20日生まれ。立教大学法学部卒業。「Miss Japan2020準グランプリ」 (広島県代表として参加)。「Miss Grand Japan 2021」東スポ賞。2022年映画「夜明けまでバス停で」(高橋伴明監督)出演、メインキャストを務める映画が2024年末に公開予定(田中壱征監督)。3歳~18歳までバレエを習い、大学時代は社交ダンス界で世界的に名高い山本英美氏に師事。ギリシャ留学ではスタニスラフスキーの演技メソッドを学んだ。法律事務所で弁護士アシスタントとして勤務後、2023年に行政書士事務所を独立開業。法律知識を少しでも増やし、パワハラ等身近な問題に役立てたいと考えている。 ※保有資格 TOEIC:835 / TOEFL:84 / IELTS:6.5 2022年度行政書士試験合格 YouTube 「小倉早貴のあつまれ!ほうりつの森」 |