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コラム

TimeCraftConsultant奥村哲次の 人生を豊かにする ビジネスマインドセット


人生100年時代と言われ、仕事でもプライベートでも、自分の夢や目標を達成するまでには長い時間が残されているように感じられる現代。しかし時間の有限性を意識せずにぼんやりと過ごしていると、時というものはあっという間に過ぎ去ってしまう――そんな着眼点から、時間をいかに有意義に使うかを助言しているのが、Time Craft Consultantの奥村哲次氏だ。当コラムでは、大病を乗り越え自らの決意と行動によって成功をつかんできた同氏から、ビジネスに必要不可欠な「マインドセット」について学んでいく。

はじめに

皆様、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。株式会社ラフティ代表取締役、奥村哲次です。前回のコラムでは、私の人生の転機となったがんの闘病経験と、時間の有限性についてお話ししました。今回は、どんな状況でも挑戦し続ける力について考えてみたいと思います。ビジネスの世界で成功を収めるためには、ただ目標を持つだけでは足りません。行動を続ける忍耐力、困難に立ち向かう勇気、そして失敗を恐れない心が必要です。それらを支えるのは、挑戦し続ける「乗り越え力」です。

挑戦から学ぶこと

私がビジネスの現場で学んだ大切な教訓の1つは、挑戦を恐れず前に進むことです。具体的な例として、2011年に小売業のレジシステムに売上予測エンジンを導入した経験があります。これを2000店舗で展開するプロジェクトは、当時非常に大きな挑戦でした。売上予測という高度な技術は、現在では「ジェネレーティブAI」という言葉で表される最先端技術にもつながりますが、当時はまだそんな用語も存在していませんでした。小さなデータ分析から着手し、時間をかけて成功体験を積み重ねた結果、今日の技術進化の土台となっています。

また、この挑戦を基盤に、従業員シフト自動作成システムも開発しました。食品フロアにおける50~60名の従業員のシフトを、わずか5分で自動作成するシステムです。これもまた2000店舗に導入され、店舗運営の効率化に大きく貢献しました。さらに2016年には、ファイル丸ごと翻訳アプリを開発しました。このアプリは、使えば使うほど翻訳精度が向上する学習型のデータベースを採用しています。利用者が増えれば増えるほどコストが低くなり、効率的に高品質な翻訳を実現できるという画期的なアプリケーションです。このように、挑戦し続けることでさまざまな成功体験を積み重ね、その一つひとつが新たな挑戦への扉を開いてきたのです。

小さな成功を積み重ねる

ビジネスにおいて、目指すべきは常に「100%の成功」です。しかし、現実では100%の成果を上げることは難しいこともあります。私は、このギャップを埋めるために、常に「120%」を目指して仕事に取り組んできました。例えば、システム開発において、バグや予期せぬ問題が必ず発生することを考慮し、納品物は100%の仕上がりを目指しつつも、あらかじめプラス20%分の運用サポートやツール、マニュアルを提供しています。この追加のサポートによって、仮に納品後に問題が発生しても、お客様が不満を感じる前に適切に対応できるのです。こうした120%のサービス提供を行うことで、最終的にはお客様に100%に限りなく近い成果物を届けることができ、信頼を勝ち取ることができます。このように、小さな成功を積み重ねることで、大きな成果を引き寄せることが可能なのです。

挑戦を支えるマインドセット

挑戦には困難や壁がつきものです。しかし、ただ「苦しい挑戦」を続けるだけでは、心が折れてしまうことがあります。そこで、私は挑戦を楽しむことを常に心がけています。ワクワクとした気持ちを持ちながら仕事に取り組むことで、集中力と持続力が格段に高まります。例えば、目標に向かって進む過程で、ただ困難を乗り越えるだけでなく、その挑戦そのものに楽しさを見出すことが重要なのです。新しいことを学んだり、改善策を見つけたりする過程は、時に難しくても、大きなやりがいを感じることができます。楽しむ心があるからこそ、挑戦に対して前向きに取り組むことができ、その結果として成功を収める可能性が高まります。

ビジネスにおける乗り越え力

「乗り越え力」とは、単に困難に打ち勝つ力ではありません。挑戦を楽しみ、その過程で成長する力です。ビジネスにおいて、成功を収めるためには、この「乗り越え力」が必要不可欠です。困難なプロジェクトやタスクに直面した時、それを苦労と捉えるのではなく、成長の機会と考えることで、モチベーションを維持することができます。私自身、これまでのビジネス経験の中で、壁にぶつかるたびに「これは新しい挑戦のチャンスだ」と感じ、その過程を楽しむことを大切にしてきました。仕事にワクワクする心を持つことで、困難を超える力は何倍にもなります。そして、その乗り越えた先には、成長と大きな成功が待っています。だからこそ、挑戦を楽しみ、仕事を楽しむことが、ビジネスにおける最大の原動力となるのです。

次回の予告

次回のコラムでは、「人との信頼関係を築く方法」についてお話ししたいと思います。ビジネスにおいて、信頼関係は成功の礎です。信頼を築くために必要なマインドセットや具体的な方法を探っていきます。どうぞお楽しみに。

株式会社ラフティ 代表取締役
奥村 哲次(おくむら てつじ)
 
IT企業でシステムエンジニアとして勤務。大手小売業のクライアントへ多数の事業提案を通すなど実績を重ねた後、2014年にITコンサルティング業の(株)ラフティを創業し、代表取締役に就任。徹底した自動化と合理的仕事術により、代表者1人の法人で1億円に迫る年商を達成する。近年は廃棄ペットボトル製の透明サーフボードを開発するなど、活躍の場をさらに広げている。
 
株式会社 ラフティ
※ITサービス
・大中小開発/運用 ・Salesforce開発運用支援
・RFP/RFI作成代行 ・BPO代行
・TMF(Translatin Memory Form)
ファイル一括翻訳システム開発運用
 
※Surf事業
・SDGs推進:廃棄ペットボトル製の
透明サーフボード開発
(商標/特許取得済)
 

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