コラム
Q 小倉さんは、どんな幼少期を送っていらっしゃいましたか?
食事中に空想の世界へ入ってしまって、メロン1切れを食べきるのに3時間かかるような、変な子でした(笑)。幼稚園生になる頃には、すでに美意識だとか、きれいになることにすごく興味があって、3歳からバレエを習い始めましたし、「サラダを食べたら美人になれるよ」という母の言葉にだまされて、サラダを食べるたびに「ねえ、私きれいになった?」と聞いていたんです。小説もプリンセスものばかりを集めていて、小学生になると、ケーキの食べ方とかスープの飲み方が書いてあるようなマナー本にも手を出し始めて、お小遣いをもらってはそういう本につぎこんでいた気がします。今思い返すと、だいぶ早熟な趣味ですよね(笑)。
Q 芸能の世界に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
私が高校まで通っていた聖心女子学院は、小・中・高の一貫校で、小学校の受験をする前に、母が下見として文化祭に連れて行ってくれたんです。そこで、演劇部の中高生がやっていたアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を観た私は、あまりのスリルに夜眠れなくなってしまって・・・(笑)。その時に、「表舞台で活躍する人たちは、こんな風に誰かに影響を与えられるんだ」と感動して、それで芸能の世界に憧れを抱くようになったんです。ただ、学校は当然、芸能活動は禁止だったので、その思いは誰かに伝えることはなく、小学6年生から演劇を始めたり、バレエを続けたりしながら、ずっと温めてきました。高校生以降は海外留学も何回か経験して、特に大学2年生の時に行ったアテネでは、ギリシアの古代の悲劇について学んだり、ハリウッドのメソッドを取り入れた独自のレッスンを受けたりと、濃密な時間を過ごしたんです。でも、お芝居のプロとして生きていくには年齢的にもう遅いかな、とか、IT業界に興味があるからそっちで就職をしたほうがいいかな、とか、自分のキャリアについては決め切れない時期もありました。
Q そんな小倉さんが、ミスコン出場を決断した理由を教えてください。
アテネへの留学中に、海外の女性の生き方が自分にとってすごく刺激的であることに気が付いたんです。皆が、自分の思いをかなえるような選択をしていて、今まで周りの評価を軸に生きてきた自分とは正反対というか。それで、「私も一度くらいは、建前とか何も気にせずにやりたいことをやろう!」と思って、留学から帰国した2019年の暮れに、ネットで調べたミスコンにエントリーしました。正直、ノリだけで応募したようなものだったので、書類が通るとも思っていなかったのですが、どういう因果か書類が通って、応募総数4000人から35人に絞られる本選に出ることになってしまったんです(笑)。
Q Miss Japan2020では準グランプリ、Miss Grand JapanでもTop10入りと輝かしい成績を残されました。そこに至るまでの努力・苦労を語ってください。
予選通過から、本戦までに残された期間は3ヶ月くらいだったので、慌てて準備をしましたね。知り合いの紹介で芸能事務所に所属させていただき、ビューティスクールで叱られながらファッションやウォーキングを磨き、ミセス日本でグランプリに輝いたことがある方から洋服を譲っていただき――変なプライドは全部捨てて、ひたむきにがむしゃらに頑張っていたら、自然と周囲の方が助けてくださって。私自身も、やると決めたら考えるより先に行動できるタイプなので、それらの歯車がうまくかみ合って、光栄な賞をいただくことができたのだと思います。正直、グランプリに関しては時の運も絡むので、受賞した瞬間は「オーマイガー」の世界でしたが(笑)、受賞できたという事実は、自分自身の臆病な部分に勇気を与えてくれたのかなと思います。
Q 憧れていた芸能界での活動をスタートされるやいなや、次は行政書士試験にも挑戦されました。こちらの経緯については?
もともと、いざという時に大事な人を守りたいという思いから、大学では法律を専攻していたんです。そんな中、ミスコンがきっかけで知り合った仲間から、「過去に性的な虐待を受けたことがある」「SNSで嫌がらせをされている」「ストーカー被害に遭っている」というような相談をされるようになって。普通なら、知り合いの法律家を紹介するくらいで十分なのかもしれませんが、その時私は「自分が法律を学んでいる理由はこれだ!」と思ったんです。とはいえ、当時すでに芸能活動を始めていて、弁護士秘書としての仕事もしていたので、時間がかかる弁護士ではなく、活動を続けながら挑戦できる行政書士の試験に挑戦することを決め、1年間猛勉強して合格することができました。
Q 「行政書士タレント」という唯一無二の肩書を手に入れられ、この先どのような活動をされていくおつもりですか?
とにかく、行政書士の認知活動に注力していきたいです。行政書士は日本全国に5万人いて、これは弁護士の4万人より多いのに、知名度には大きな差がありますよね。でも、例えばパティシエさんが洋菓子店を開く時に営業許可を取ったり、海外の有名アーティストが日本でライブを開催する時にビザを取ったり、いろいろな人のビジネスの夢をサポートできるのが行政書士なんです。この素敵な職業をもっとたくさんの方に知っていただき、皆さんにとって身近な存在になれるよう、YouTubeなども活用しながら、法律のことを楽しく発信していければと思っています。ゆくゆくは、行政書士という言葉を聞いた人が「ああ、小倉さんがやっている仕事だね」と言ってもらえるようになれば理想的ですね。
Q 最後に、本コラムでどのような情報を発信していくのかを教えてください。
一言でいうと「ビジネスパーソンのための自分磨き講座」をお届けしようと考えています。時代が資本主義社会から情報資本主義社会へ移り変わり、ものの価値観がどんどん変化していく世の中では、常に最新の価値基準をキャッチし、それに合わせて自分磨きをしていく必要があります。私は、これまでミスコン出場などを通して人から評価され続けてきたので、どのような振る舞いが評価されるのかを良く知っていますし、20代女子としての目線も持っています。そこに、行政書士としての法律の知識も加えながら、「若者との接し方」「振る舞いのブラッシュアップ」「最新のコンプライアンス」という3つの軸で、読者の皆様にとって有意義な情報をお届けしていきますので、これからどうぞよろしくお願いいたします!
小倉 早貴(おぐら さき) 1999年8月20日生まれ。立教大学法学部卒業。「Miss Japan2020準グランプリ」 (広島県代表として参加)。「Miss Grand Japan 2021」東スポ賞。2022年映画「夜明けまでバス停で」(高橋伴明監督)出演、メインキャストを務める映画が2024年末に公開予定(田中壱征監督)。3歳~18歳までバレエを習い、大学時代は社交ダンス界で世界的に名高い山本英美氏に師事。ギリシャ留学ではスタニスラフスキーの演技メソッドを学んだ。法律事務所で弁護士アシスタントとして勤務後、2023年に行政書士事務所を独立開業。法律知識を少しでも増やし、パワハラ等身近な問題に役立てたいと考えている。 ※保有資格 TOEIC:835 / TOEFL:84 / IELTS:6.5 2022年度行政書士試験合格 YouTube 「小倉早貴のあつまれ!ほうりつの森」 |