コラム
怒りの感情に支配されず、自分の心と冷静に向き合う
人生を好転させるヒントは
自分の失敗や相手の裏切りを“許す”ことにあり
著者はいつも失敗を他人のせいにし、なかなか反省をしない経営者でした。
部下や取引先との関係も良いものとは言えず、会社は常時、人手不足の状態で業績も低迷していました。しかし、ある日参加した経営者向けの経営セミナーで、とある企業の経営者が部下の失態に直面した際、すべて自分の責任として考えると発言しているのを聞き、衝撃を受けます。それまで「許す」ということをしてこなかった著者にとって、これが大きな転機となりました。それ以来、相手の裏切りに直面した時には怒りの気持ちを抑え込み、相手の行動の理由を考え、自分に非がなかったかを省みることを繰り返すようになったのです。すると、自分自身の思考法や性格の改善点に一つひとつ正面から向き合っていくことができるようになりました。
許すことを意識できたおかげで、著者は自分の会社を年商45億にまで成長させることができたのです。
本書は、許すことで人生を好転させてきた著者の考えをもとに、「許せる自分」になるためのヒントや考え方をまとめた1冊です。
《著者Q&A》
■この本のポイント・読みどころを教えてください
誰にも、人生を生きていく中で「許せない」ことが多々起こるはずです。もしかすると、まだ経験していないという人もいるかもしれませんが、そういった出来事にあった時、どのような考え方をすれば前向きに生きていけるかについて書いています。
■この本を通して読者に伝えたいことを教えてください
年齢に関係なく信じられない出来事が起き、事後の行動によってそれが人生を良くも悪くもします。ただ、私はその際に正解を見誤ってもいいと思っています。必ず、どこかで自分の人生を良い方向に導くための出来事も起きるからです。それは言葉によってもたらされるかもしれないし、あるいは人との関係から生まれるかもしれない。それに気付くためには、「素直・勉強好き・プラス思考」であることが大切です。勉強をしていないと素直にはなれませんし、プラス思考にもなかなかなれません。そのチャンスをつかむためにも、多くの書籍を読まれることをお勧めします。
■アンガーマネジメントを身に付けるには何が大事でしょうか?
自分が誰かに怒りを覚えるのも実は想定内のこと――その相手がいるからこそ、神が自分を変えるチャンスを与えてくれているのだと知ると、怒りを感じてもむしろ「ありがたい」とさえ思えてきます。もう1つは、「第1の感情」と「第2の感情」を知ることです。第1の感情は、まさに怒りを感じたその瞬間。そして第2の感情は、「未来の自分が見た、こうありたいという自分の姿」を思い描くというもの。「今の怒りを相手にぶつけると、はたして将来理想の自分になれるだろうか」と考えると、第1の感情ではなく、第2の感情で相手と接することができるようになります。
■許す生き方を人々が実践すれば世界は変わるとお考えですか?
正義の反対は「別の正義」とも言われるように、誰にもそれぞれの言いぶんがあり、非常に難しいとは思います。もちろん、平和な世の中になるように願いますが、怒りをもたらす人がいるから、自分はそうではない生き方を選ぶことができるのだとも言える。太陰大極図のような考えとでも言いましょうか、陰の中に陽があり、陽の中に陰があるのだと考えると、両方のありがたさがわかるはずです。ただ、「許す生き方」を実践される方が1人でも増えれば、私としてはこれほど嬉しいことはありません。
岩本 元熙(いわもと もとひろ) 1968年、兵庫県生まれ。焼肉店の3 代目として生まれる。学業修了後は飲食業・服飾業に従事。やがて、32 歳の時にバブル時代にはやった洋服をネットオークションに出品したところ、古着店の10 倍の値がつき、自分の持ち物をすべてネット販売することに。その後、リユース、リサイクルの世界に身を置き、2004 年に(株)ベストライフを設立した。以降、事業を拡大しながら、多店舗展開を始める。2023年現在は、その他にフィットネス事業なども展開している。 発行:幻冬舎メディアコンサルティング URL https://www.gentosha-mc.com/ 発売:幻冬舎 URL https://www.gentosha.co.jp/ |
<< 編集部が薦める今月の一冊No5| >>編集部が薦める今月の一冊No7