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コラム

編集部が薦める今月の一冊
このページでは毎回、数多く刊行される書籍の中から、『COMPANYTANK』読者に向けて編集部がお薦めする一冊をご紹介します。第3回は、定期健康診断を活用した職場づくりについて解説する『コストゼロでつくる小さな会社の健康な職場』を取り上げます。

社員に「ただ受けさせるだけ」ではもったいない!
定期健康診断の結果を職場環境の改善や
メンタルヘルスケアに生かす!

働く人の健康問題に注目が集まっていますが、組織として健康増進に取り組んでいる企業は多くありません。「健康経営」や「従業員の健康づくり」は必ずしも産業医がいなければできないものではなく、小さな会社でもコストを掛けずに健康な職場をつくる方法はたくさんあります。生活習慣病の兆候を含めた体調の変化を知ることができるのが、毎年職場で行われている「定期健康診断」です。定期健康診断の結果に合わせて職場環境を改善すれば、社員の健康を維持し、メンタル不調の発症・悪化を防ぐことにもつながります。さらには休職率・離職率も軽減でき、生産性を向上させることも可能になるのです。本書では、定期健康診断を活用した職場づくりについて解説します。小さな会社こそ経営者やそこで働く人々が少し意識を変えるだけで、年齢・性別にかかわらず誰もが心身ともに健やかに働ける職場づくりを実現することができるのです。

《著者Q&A》
■この本を出版しようと思った理由、動機を教えてください。
日本では生活習慣病は増加の一途をたどっています。また50 人未満の事業所で働く人が全事業所のうち大半を占めているのにもかかわらず、産業医などの専門家が健康管理に関わっていない状態です。生活習慣病増加の流れを食い止めるためには、50 人未満の事業所での健康管理が重要と私は考えています。多くの事業所で健康管理についてまったく手つかずの状態なので、「まず何から始めるか?」について小規模事業者向けに出版しました。
■この本のポイント・読みどころを教えてください
定期健康診断について、その結果を生かす方法についてできるだけ詳しく、わかりやすく記しました。企業の担当者は、健診予約をして、結果をまとめるだけでも大変なのですが、実は健診は終わってからが、企業としての健康管理の始まりです。本書を読み終わったらすぐに自社でやった健診の結果を分析したくなるように、また予約と結果の取りまとめ作業が有意義なものと感じていただけるように心がけました。
■この本を通して読者に伝えたいことを教えてください
基本的に何から始めても良いと考えていますが、基礎が固まっていないのに、満足度などの従業員サーベイや、はやりのアプリやソフトを導入してもすぐに形骸化してしまいます。健康管理に関しては、まずは基礎である定期健康診断を生かすところから始めてほしいです。最初は時間がかかるかもしれませんが、費用もかけないのに驚くほど効果があります。健康管理は会社経営の重要な基礎の1 つです。
■弊誌の読者宛にメッセージをお願いいたします
本書には経営者ご自身の健康管理についても参考になる部分があると思います。私は元救急医で今は主にがんの末期の方を診る臨床医でもあります。健康な職場づくりは、私を臨床医として育ててくれた社会への恩返しと思って活動しております。正直多忙でありますが、40 歳を過ぎてからは睡眠時間だけは確保するようにしています。私の健康法はたったそれだけです。皆様も私と同様に身を粉にして日々経営をされていると思います。社員の健康のために、まずご自身の健康をちょっと良いほうへ進めていただければと思います。

著者プロフィール
富田 崇由(とみだ たかよし)
 
浜松医科大学を卒業後、2003 年4 月より名古屋第一赤十字病院にて研修。2005 年4 月から同病院救命センタースタッフとして地域医療災害医療にも携わる。2008 年4 月より複数の在宅クリニックにて在宅ホスピスに従事。2014 年11 月にナラティブクリニックみどり診療所を開院し、2016 年4 月にはセイルズ産業医事務所を開設した。「患者のストーリーに寄り添ってベストな治療方針を」を信念にしている。2016 年産業医事務所を開設後は、会社を「小さなクリニック」にすべく小規模事業者にも産業医の必要性を訴えている。
 
発行:幻冬舎メディアコンサルティング URL https://www.gentosha-mc.com/
発売:幻冬舎 URL https://www.gentosha.co.jp/

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