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コラム

会員制資産形成クラブFCG 総合部門代表 中村健人による 金融リテラシー向上指南

株式、暗号通貨、NFT―さまざまな金融商品が注目を集め、取り沙汰される昨今。誰もが気軽に投資・運用を始められる時代になりつつある反面、金融リテラシーを持たないために周囲に流されたり、失敗したりしてしまう人も多い。本コラムでは、税理士事務所に勤めながら個人で外国為替証拠金取引や株式、暗号通貨などを用いた資産運用を行い、その実績から会員制資産形成クラブFCGの総合部門代表に抜てきされた中村健人氏が、資産運用に役立つ正しい金融知識をお届けしていく。

こんにちは。FCG節税・資産形成部門代表の中村健人です。今月もよろしくお願い申し上げます。

資産形成は木を育てるように、短期を見てはならないということ

今現在も暗号通貨(仮想通貨)投資やNFT投資など、投資は強く熱を持っております。しかし気を付けなければならないことがあります。それは、「短期で成功する」と思ってはいけないということです。

相場は自分の念じた通りに動いている世界ではありません。

方向性が正しくても、時間を要することが多々ございます。これは、事業でも同じことですね。短期で大きく収益を出すパターンは存在しますが、それはあくまで「結果論」。流れを読んでいたものの勢いが、思った以上に強く速かっただけなのです。 これから、収益を大きく出す秘密を1つお話しいたします。それは、「2つの相場を正しく理解する」ということです。相場というものは、

① 成長産業
② 成熟産業

この2つに分けることができます。

成長産業は、将来の成長性にかける、つまりグロース投資ということですね。当然ですが判定基準は将来的に大きくなっていく―つまり社会的意義があるかどうかということと、「価格がバブルを起こしておらず、安く織り込まれているかどうか」にあります。

成熟産業はドル円市場のような、既に基軸国における上げ下げに成長的意味合いがない、つまり成長しきった相場です。その世界は読み合いであり、ある種「定石を覚えるゲーム」のような世界です。

今回は、これらの相場の中でも、成長産業のほうにフォーカスし、長期投資についてご説明していきたいと思います。そうなると当然、「今」だけではなく社会的意義のある投資であるかどうかを見ることが大事になってきます。そこを確実に捉えれば、投じる資金に大金は必要ありません。例えば暗号通貨においては、10万円の資金が1億円にまで増えた例もあるのです。

むしろ、大金を用意しなければ利益を出せないということは、読みの力が薄く、投資技術が弱いということであると考えるようにしましょう。

長期投資の判断基準

長期投資においての判断は、以下の4項目にまとめられます。

① 自分が価値を感じている
② 自分が価値を感じていない
③ 他人が価値を感じている
④ 他人が価値を感じていない

当たり前のことですが、自分が価値を感じていないものへの投資はしませんよね。言うまでもなく自分が価値を感じている投資をするわけですが、ここで多くの方が失敗するのは、③の「他人が価値を感じている」もの、つまり価格がすでに高くバブルを起こしているものをつい買ってしまう、ということです。土地神話のバブル、ITバブル、暗号通貨バブル―等々、ほぼすべてのケースにおいて、バブルが起きている時に買った人は失敗します。他人が価値を感じていること=すでにバブルを起こしていることであり、リターンが少ないうえに、無理やりリターンを出そうとすれば多額の資金が必要となります。これは事業でも言えることですが、大きく収益を取る人というのは最初に動いた人ですよね。

もちろん、常に第一人者である必要はありません。第一波、第二波程度でも構わないのです。大事なのは自分が価値を強く感じていて、他人がまだ価値を強く感じていないものに資金を投じていくことになります。

ただし、そういったものを見つけるのはとても「面倒」です。世の中がまだ未開拓だからです。

逆に言えば、収益を上げること=他人にとって面倒なことをやることと捉えられるかもしれません。

面倒な分、安く始められるうえにリターンも大きいですから。

その場その場の時代の甘言ほど崩壊に導くものはない

どんな時代にも、いわゆる「詐欺」と呼ばれるものが数多く出てきて、その度に多くの人が残念なことにだまされます。「短期で安易に利益がほしい」という欲望につけ込まれてしまうからです。例えば、2016年や2017年の時点であれば、いつビットコインを買ったとしても今現在に至るまでに大きな収益を出せているはずです。では、なぜそうでない人が多いのか。

ただ持っていること、待っていることができないからです。

だからこそ、新たな何かに投じ、失敗してしまう···。大事なことは、適切な論理を持ったうえで、適切に投じることです。人の話をただ信じるのではなく、それを判断できる基準が自分にあるかどうかに、すべてがかかっています。

人々の投機熱は、各時代において絶対的に存在します。そういう生物だからです。だから、バブルは何度でも起きます。重要なのは、バブルで世間が盛り上がったときに、自分も連られて盛り上がるのではなく、世間が盛り上がっていないときにこそ自分が盛り上がり、木を植えたかのように待ち、その後で世間が盛り上がったときに大きなリターンを回収することなのです。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。
(次号へ続く)

■プロフィール
中村 健人(なかむら けんと)

富裕層様・経営者様・医科歯科開業医様 会員制資産形成クラブFCG
総合部門代表
税理士事務所勤務。神奈川県横浜市在住。暗号資産や株式、外国為替取引にて個人で多数の実績を残したことが評価され、FCGより総合部門代表に抜てきされる。2018年にオファーを受け雑誌掲載。
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