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コラム

オフを充実させ、より良いビジネスライフを! 大人が楽しむアウトドア考

アウトドアのオリジナルグッズ開発を手がける、イナウトドア 合同会社の森豊雪代表が、アウトドアの魅力をお伝えする連載コラム。今回のテーマは夜空に輝く「星」だ。空気が澄み、星の光が鮮明に映る冬は、星空を楽しむには絶好の季節。諸説ある宇宙の起源や、ロマンをかきたてる流星群など、太古より人々を魅了してきた星をめぐって同氏が持論を展開する。
 

◎冬は星空観察に絶好の季節

新しい年を迎え、気分も新たに1年の目標を持たれる方も多いことと思う。ここ2年ほど、新型コロナウイルスの関係で、密を避けるという観点からアウトドア活動を始めた方も少なくないのではないだろうか。キャンプ場も、かなり先の日程まで予約が埋まっていることも増えているようだ。そんな昨今のアウトドアブームだが、キャンプ時の1つの楽しみ方として「星を眺める」という行為がある。
特に空気の澄んでいる冬の時期は、その絶好の季節。わずかな光だけ残して遠い宇宙のドラマに思いをはせるのもよいものだ。

◎宇宙と時間

宇宙の起源は諸説あるが、2022年現在では約140億年前に無から始まったというのが定説となっている。細かい理屈は専門家ではないと理解しきれないが、真空の揺らぎの中で大爆発により火の玉が突然発生したというのだ。この時点で、もう私たちの想像の範囲を超えている。

それは最初、量子論でいう最小単位の「ブランクの大きさ(10のマイナス34乗cm程度)」だったとされている。そしてその後、急速(一瞬にも満たない時間)に拡大していったという。これらのことをどれだけ調べて、知識として頭に入れても、それを実際にイメージするのは難しい。それほどまでに神秘的なものだと感じる。

しかし最近では、120億光年先の天体さえ観測する技術があるとのこと。光の速さで1年かかる距離の単位が1光年であるため、120億光年は光の速さで120億年かかるということになる。具体的に記すと、1光年が9兆4605億km。それの120億倍ということだ。まさに天文学的な、気の遠くなるような数字である。一方、地球と月の距離は38万4400km。そう考えると、自分も月までは何とか行けそうな気さえ起きてくる。

光は速いとはいえ、それが伝わるためには時間が必要とされる。太陽系を含む銀河系の外の恒星の光は、相当な距離から放たれたものだ。

例えば、有名な「オリオン座」のベテルギウスなどは太陽から約600光年離れている。ということは、私たちが見ているベテルギウスは今から600年前の姿なのである。そして、実際に現在も存在するのかどうかは定かではない。天文関係の専門家は星の光を見て、その星が消失しそうかどうかなども判断していると聞く。いずれにせよ、ある星が爆発しても、その事象を地球で目にすることができるのは、距離が遠くなればなるほど、ずっと後になるということだ。光は1秒間に約30万km進む。それに対して音は1秒間に約300mだ。光の速さに比べると音の伝わり方はとても遅い。雷が光ってからの秒数×300mという、雷が落ちた距離を知るための簡単な計算式もある。光は高速であるからそれは無視するとして、その光を見てから何秒で音が聞こえるかによって大方の距離をつかむことができるのだ。例えば、3秒だとだいたい1km先といったふうに。

このように伝達時間などの違いを知ると、空間における時間(現在と過去)についていろいろと考えさせられるものがある。

◎流れ星と星座

夜空を眺めていると、時折、流れ星にも遭遇する。流れ星が消えないうちに3度お願いしたら、その願いがかなうという迷信を、多くの人が一度は耳にしたことがあると思う。かくいう私の場合は、願いごとの内容が長すぎて一度も最後まで言えた記憶がない。人間、欲をかきすぎては駄目だということなのだろう(笑)。

こと流星に関しては、「流星群」という形で、わずか一晩で多くの流星を見ることが可能なタイミングもある。有名なのものとしては、「しぶんぎ座流星群(1月)」、「ペルセウス座流星群(8月)」、「ふたご座流星群(12月)」などが挙げられる。その他にも、年間を通じて流星群は観測できるので、タイミングを合わせてキャンプへ出かけ、流星を眺めるのも一興だろう。

都心では夜間も明るく、星を眺めるには必ずしも好環境とはいえない。最近では氷川キャンプ場や大岳キャンプ場など、星を眺めるのに最適な場所であることを売りにしているキャンプ場も多いので、そのような場所を選ぶとよいだろう。

また、星といえばやはり星座が思い浮かぶ。キャンプ場で星座を見ながら、その星座にまつわる神話の1つも話すことができれば気が利いているのだが・・・。
少しはそんな教養も身に付けたいものだ。

◎自然の広大さ

海を眺めていると、よく「本当に広くて、深海など未知の世界もたくさんあるんだろうなぁ」などと思うものだが、宇宙は海の比ではない。先ほども書いたような広さというか、途方もない大きさは何とも形容しがたいものだ。だが、現代では太陽系内の知られざる星を探索する技術もあり、昔は「宇宙人がいるのでは?」と言われた火星にも探査機が着陸できる時代となった。しかし、それは広大な宇宙の中にあってはごくごく一部の話にすぎない。宇宙人がいるかいないかの論争はこれからも尽きることはないだろう。

私に関しては、どちらかといえば「宇宙人は存在する」という考えを持っている。宇宙の広さを考慮すると、金星など地球と同じような条件が備わった星はいくらでもあるし、また、そのほうがロマンを感じられるからだ。私が子どもの頃からすると考えられないことだが、最近では宇宙旅行などの話も出てきている。自分が生きているうちに月旅行が一般化するとは思えないが、どうせならばそんな夢も見てみたい。満点の星空をキャンプ場で眺め、まだ見ぬ異星人との出会いを思い描きながら――。

▶イナウトドア(同)では親子向けスクールや焚き火体験なども行っております。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
 
https://www.inoutdoor.work/school
■プロフィール
森 豊雪

学業修了後はエネルギー関連の製造会社に入社し、30年以上にわたって勤務する。55歳を迎えて新しい道を模索。もともと趣味で活動していたアウトドア分野で起業することを決意し、イナウトドア(同)を立ち上げた。現在は、オリジナルアウトドアグッズの開発や、サバイバル教室などの展開、自然保護のボランティア活動に注力している。
 
※保有資格
・NCAJ 認定 キャンプインストラクター
・JBS 認定 ブッシュクラフトインストラクター
・日赤救急法救急員他
■企業情報
イナウトドア 合同会社
〒238-0114
神奈川県三浦市初声町和田3079-3
■URL
https://www.inoutdoor.work/
■Twitter
@moritoyo1

 
 

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