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コラム

リポーター・圖師凜の宮崎ガイド

宮崎県でいちご農家を営む、「日南ベリーパーク」の渡邉社長。移住から起業、そして現在に至るまでユニークな試みを続ける社長に、MRT宮崎放送のリポーター・圖師凜さんがインタビュー!
 

株式会社 CdeF 代表取締役
日南ベリーパーク 代表
渡邉 泰典(わたなべ・たいすけ)
 
兵庫県生まれ、東京都育ち。中央大学理工学部在学中に自転車で九州一周をした経験をきっかけに、大学を中退し、宮崎県日南市北郷町に移住する。未経験からいちご農家を志し、2016年3月に独立を果たした。現在は農業と兼業で、バルーンパフォーマンスや皿回しを行うパフォーマーを務める他、学習塾も経営。いちごのイメージから髪は赤色に染めている。

MRT宮崎放送 リポーター
圖師 凜(ずし・りん)
 
宮崎県日南市に生まれ、その後は宮崎市や延岡市で暮らす。大学卒業後は病院に事務職として勤務。仕事の傍らで、観光レディである「日南サンフレッシュレディ」として活動し、2016年4月からはMRT宮崎放送の朝の情報テレビ番組「モーニングてらす!」のリポーターに就任した。趣味は学生時代から打ち込む卓球で、現在も全国大会などに出場する。
 
*MRT宮崎放送・モーニングてらす!
http://mrt.jp/television/mtera/

 

地域住民に魅せられて東京から宮崎へ

圖師 渡邉社長は東京から移住してこられたそうですね。どういったきっかけで宮崎県に住むことになったのでしょう。

渡邉 中央大学理工学部に在学中、夏休みに自転車で九州一周をしていたんです。その時に、日南市北郷町を訪れ、地元の方々に魅了されて──。思わず、大学を辞めて移住しちゃいました。

圖師 ものすごい決断力ですね!

渡邉 「この方たちと同じ町に住みたい」と、直感的に思ったんです。実際に暮らしてみると、本当に親切な方ばかり。自転車と所持金20万円しか持たずに来た私に、地元の方が原付も車もくださって。煮物を分けてくれるおばさんが、「温めるものもないでしょ。これを持っていきな」と、電子レンジもくださいました。他にも頂いた物ばかりで、中でも家電製品は一切買っていないんですよ。皆様には、本当に良くして頂いていますね。

出資を募り、農園を一からつくる

圖師 それはすごい!それも、社長の明るく飾らないお人柄があってのことだと思います。では、事業をスタートされた経緯も伺えますか?

渡邉 移住後、1年間いちご栽培の研修を受け、独立しました。その際に行ったのが、クラウドファンディングによる“いちごの先行販売”。新規就農者としては、日本初となるビジネスモデルに挑戦したんです。もちろんプレッシャーはありましたし、農家1年目なのにできるはずがないと周囲に反対されたり、詐欺だと言われたりしたことも。それでも、「絶対成功させる」という気持ちで、畑の面積などさまざまな条件を考えた上で、資金の上限を決めて行ったんです。

圖師 ちなみに、なぜいちごだったのですか?

渡邉 もらったときに多くの人に喜ばれるものだということもありますが、決め手となったのは、いちごの茎の根本部分が“クラウン”だということですね。私はパフォーマーの仕事もしていまして、そのときには「クラウン(道化師)」と呼ばれているので、「これはいちごに呼ばれているんだ!」と思って決めました(笑)。

親子で楽しめる観光農園を

圖師 現在は、奥様もご活躍されているんですよね?

渡邉 ええ。妻はチョークアーティストなので、看板やパッケージのデザインなど、広報全般を担当してくれています。また、四コマ漫画が得意で、「マイナビ農業」という農業関連のWebメディアや、新聞でも連載を書いているんです。あとは、この農園のサイトでも、毎週四コマ漫画を更新しています。
 妻は自分をいろいろな面で支えてくれていて、唯一無二の存在ですし、とても感謝しているんです。そんな妻と子どもが、私の原動力になっています。

圖師 では、社長のモットーは何ですか?

渡邉 「No Fun, No Gain」──楽しくなければ得るものはない、という言葉が好きです。だから、常々どうやったらより楽しくできるか、自分で突き詰めて考えています。もともと「普通すぎる」という自分のコンプレックスを克服するために、周りがやっていないことを率先してやってきていて。農家が農園をPRするためにYoutuberになってみるとか(笑)、そういうのが大好きなんです。

圖師 どんどん新しいことに挑戦されているんですね。今後のご活躍がますます楽しみです。

渡邉 まずは2019年のうちに、ハウスの面積を3倍に増やします。そして、その2年半後を目処に、日南市北郷町内にある70倍ほどの面積の土地に全面移設する予定です。そこでは他の果物もつくり、年間を通して親子で楽しめるような観光農園を開きたいですね。
 例えば、焼酎のボトルキープのように“木の棒”をキープして、訪れるごとに木の幹に子どもの身長をマークしていって、写真を撮ったり。また、いちごも摘んで終わりではなく、ブーケ型にアレンジして持って帰って頂いたり。そんなふうに、子どもの成長を見られて、親子の思い出がつくられる場にしたいです。今後、より具体的にアイデアを詰めていき、いずれは九州一の観光農園をつくりたいと考えています。


   日南ベリーパーク
   〒889-2402 宮崎県日南市北郷町郷之原乙625-1
   URL http://clown-farm.com/(ご注文もこちらから!)
 
 

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