コラム
最新技術で未来の街に彩りを
街や店の空間をつくる総合展
東京ビッグサイトで2018年3月6日(火)~9日(金)にわたって開催された、5つの展示会と1つの特別企画で構成された「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展」。2020年の未来の街をつくる技術・製品・システムが集合する、国内最大級の総合展だ。最新の製品が集結した同展示会の模様をお届けしよう。
「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展」では、5つの展示会と1つの特別企画が同時開催され、1020社の企業・団体が出展。4日間の全展示会の合計で累計19万4518人が来場した。
特に来場者が熱い視線を注いでいたのが、色彩・デザイン面に特長のある製品や、光と映像を使った演出が展示された特別企画「商空間・住空間 NEXT 2018」だ。インテリア・エクステリアをはじめエンターテインメント性の高い製品まで、多くの企業が出展スペースを構えていた。
KOA(株)は、風を検出するセンサーを使い、空気の動きを視覚的に捉えることができる技術「Windgraphy」のデモを実施していた。実際にうちわで扇いだ風に合わせて、大型ディスプレイパネルに映し出された風車がリアルタイムで回り、視覚的にも面白い。気軽に風と親しむ方法を追求する同社は、空気の動きをアミューズメントやアートのように楽しめる技術の開発に努めているのだ。
創業100年以上の歴史を誇り、デザイン性や安全性に優れた遊具を展示していた(株)ジャクエツ。中でも、雄大な山をイメージした滑り台「マウンテン」は、入り口が緩急のついた階段になっていたり、一部に洞窟のようなスペースがあったり、子どもたちを飽きさせない工夫が随所に散りばめられている。側面を湾曲状にすることで、子どもたちがケガをしにくいようにつくられているのも特長。そして、著名デザイナーとコラボレーションし、スタイリッシュなデザインに仕上げることで、幼稚園・保育園はもちろん、ショッピングモールなどのキッズルームにも馴染むオリジナル遊具になっているのだ。独自の安全基準に基づいて設計し、国内自社工場で生産。こういった企業活動を通して、子どもが安全に遊べる環境づくりを提唱していた。
金魚販売店の老舗「丸文観賞魚園」のブースでは、金魚を入れた水槽をライトアップした和風な雰囲気のアクアリウムが、来場者の目を引いていた。商業施設のエントランスや病院の待合室といった場所に金魚が泳ぐアクアリウムを設置することで、空間に華やかさをもたらすことができる。展示会場の一角で、モダンで美しい雰囲気を醸し出していた。
照明と映像を融合させて、被写体を照らす「プロジェクションライティング」を展開していたのは(株)パルックス。イベント会場でのライトアップやプロジェクションマッピングの他に、商品説明などの文章を映し出したり、動きのあるライティングで迫力のある演出をしたりするデモが行われていた。演出方法の相談から設置までを自社の空間デザイナーが担当してくれる点も心強い。
ニッシントーア・岩尾(株)とコーデンシTK(株)が共同で展示していた「LED BLOCK」。これはLEDが搭載されたブロックで、玩具のブロックと同じ感覚で自由に面をつなげて、立体オブジェをつくることが可能である。そして作成した立体上のLEDに、フルカラーで映像が映し出され、自由自在に光るのだ。ブロック単位で組み立てるので、コンパクトに持ち運ぶことができるとあり、さまざまなシーンにおいて活躍することだろう。
床面設置用LEDビジョン「VEGAS VISION F series」を展開していたのは、(株)クラウドポイント。床面のLEDに映し出された映像を眺めるだけでなく、その上を歩くことも可能なのだ。金魚が泳ぐ水面の映像が映し出されたパネルに、実際に足を乗せると波紋が広がるという演出も。車のような重量物を乗せても問題ない1m2あたり2tの耐荷重で、屋外用の製品もあるため、イベントのステージとしても活用されている。
このようなさらなる普及が見込まれるLEDについて、同時開催の「LED NEXT STAGE 2018」では、従来の照明としての照らす役割を超えたアミューズメント性に長ける製品が並び、会場に彩りを与えていた。例えばLeadLite Inc.の「Clair Film」は、透明度と輝度に長けた透過型スクリーンフィルムだ。透明なガラスやアクリル面に設置することができ、プロジェクターによって映像を投影可能。窓ガラスを利用した広告ビジネスとしての期待が高まっている。
技術面もさることながら、アイデアに富んだ商品が目立ち、多くの来場客が楽しんでいた同展示会。今後業界がどのような発展を見せてくれるのか、期待が膨らむばかりだ。
2 「LED BLOCK」はニッシントーア・岩尾(株)とコーデンシTK(株)の共同出展の製品だ
3 (株)クラウドポイントの「VEGAS VISION F series」は床面を鮮やかに演出していた
4 「Clair Film」で新たな広告ビジネス像を発信していたのはLeadLite Inc.だ